すがちゃん最高No.1"中1から一人暮らし"の衝撃過去「"親ガチャ失敗"気持ちは分かるけど粋じゃない」
孤独に押しつぶされそうな夜もあった
もっとも、当時のすがちゃんも孤独に押しつぶされそうな夜もあった。ナルシズムだけで一人暮らしを乗り越えられるほど中学生というのは大人ではない。そんなすがちゃんを救ったのは漫画だったという。 「うちの近くに一冊10円で売っている古本屋があって。当時はまだ新しかった漫画も50円とかで売っていて、親戚にもらったお金を使って漫画を買っていました。漫画の存在はだいぶでかかったですね。寂しさの限界が来たら、ダッシュで帰って、ヘッドスライディングで読んでいました」 寂しさという内面以外にも当然苦労はある。一人暮らしとなれば、中学生であっても身の回りのことをすべて自分でやらなければならない。炊事・洗濯などもそのひとつで、味噌汁を作るだけでも苦労したと明かすが、そのおかげで「問題を一つひとつクリアしていくということを経験できました。目的を階段式でクリアしていくという行動が培われましたね」とポジティブに振り返る。 すがちゃんはどんな経験もネガティブに捉えることなく、自らの糧としているように感じられた。インタビューを通して特殊な家族のエピソードで笑わせてくれることはあっても、卑下するように嘆くことはない。これほど複雑な家庭であれば、恨み節の一つも言いたくなるところだが、すがちゃんはそうではない。その理由を「とにかく面白かったに尽きます」とエピソードも交えて答えてくれた。 「おばあちゃんが急にその月の食費をグミにすべて使ったり、親父が知らん女性と家でよろしくやっていたり…嫌だってよりは明日どうおもしろく話せるかと考えていました。『いや、さすがに無理か』とか考えているのが楽しかったので、刺激をくれて家族には感謝ですね。菅野家ってみんな根底に優しさがあるんですよ。思いやりの一族で、そこもあって(悪いことを言わないん)じゃないですかね」 現代では「生まれてくる子供は親を選べない」ことを揶揄した表現として、「親ガチャ(成功/失敗)」という言葉も生まれた。子は、生まれもった容姿や能力、家庭環境によって人生が大きく左右されるという考え方で、すがちゃんも影響を受けたという意味ではその一人かもしれない。だが、すがちゃん自身は「うちは全然愛があったので」と否定し、こう続ける。 「もっと大変な家庭はあると思いますし、とんでもない人たちはそう思っていいと思います。ただ、ひどいことや冷たいことをされることもあるかもしれませんが、僕としてはひどいをひどいで返すのって好きじゃなくて。辛いのはわかりますし、『親ガチャ失敗』と言いたい気持ちもわかりますよ。でも粋じゃないじゃないですか。野暮な言い方しないで生きていこうぜって思いますね」 すがちゃんが家族との関係に悩む人に向けたメッセージこそ、彼の考え方を最も端的に表しているかもしれない。