ワンボックスカーってどんなクルマ? 定義やミニバンとの違い、メリットなどを解説
ワンボックスカーとの違い
冒頭で述べたようにフォルムが似ているミニバンとワンボックスが混同されますが、大きな違いは乗用車ベースか商用車ベースかであること。 また駆動方式がワンボックスの多くが後輪駆動なことに対して、ミニバンはFFが主流となるのも大きな違いです。 駆動方式が違うことでワンボックスは運転席がフロントタイヤの上に位置すること(キャブオーバー)もミニバンとの違い。 1990年代に入るまでは3列シートの多人数車は、キャブオーバーのワンボックス車をベースとしたワンボックスワゴンが主流でした。 1991年に登場した初代(バネット)セレナは商用バンと共用ボディを使用していましたし、トヨタ・ノアの源流は商用バンベースのタウンエースノア。 見た目こそ商用バンベースのワンボックスワゴンとFF乗用車ベースのミニバンは似ていますが、乗り心地や運転性能は乗用車ベースのミニバンが圧倒的に優れています。 1990年にデビューしたトヨタ・エスティマこそFF乗用車ベースではなく新規開発のミッドシップレイアウトを採用した変わり種ですが、商用車ベースのワンボックスワゴンは徐々に衰退。いまは送迎&商用メインのモデル以外で多人数乗車できるワンボックスワゴンは消滅しました。
高級車=スリーボックスは昔の話
クルマに高級感を求める場合、大きな熱やノイズを発生するエンジンが収まる箱と、荷物を積む倉庫のような箱は人が過ごすための部屋とは別々にあるべきなので、もっとも高級車に適しているのはスリーボックスのセダンやクーペといえます。ボディ剛性や静粛性の面でも有利となる要素が多いのは間違いありません。 最近はセレブの間でも内装が超ゴージャスで広大な空間をもつミニバンが大人気で、格式のあるゴルフ場の駐車場でもミニバンが多数派を占めているようですが、セダンかクーペにこだわっている人は、きっと「スリーボックスこそが真の高級車だ」と意識しているのでしょう。 ワンボックスといってもエンジンと乗員がダイレクトに同じ場所に居るワケではないですし、ハイエースの上級グレードは下手な乗用車より高級感があるのも事実なので、クルマをボックスの数で分類するのは無意味とする意見も少なくありません。 ミニバン以外のMRやRRレイアウトのクルマや、エンジンのない電気自動車の場合も分類が難しくなりそう……。今後も「ワンボックス=ハコっぽいミニバン」というイメージのほうが広く浸透していきそうです。