ソシオ一番街のアーケードに掲げられた歓迎の垂れ幕

　人気ロックバンド「B'z」のボーカル稲葉浩志さんの古里・岡山県津山市での単独ライブが13、14日に迫る中、市内のおもてなし機運が高まっている。会場の津山文化センター（同市山下）周辺の市街地は、歓迎の垂れ幕やフォトスポットが登場するなど受け入れ準備が進む。街全体を熱気に包んだ本格的な凱旋（がいせん）ライブから7年。稲葉さんを軸にファンと市民の新たな交流が生まれそうだ。 　市中心部の商店街ソシオ一番街では7日、2・7メートル四方の垂れ幕がアーケードにお目見えした。稲葉さんの特大写真と「ようこそ津山へ」のメッセージを入れ、ファンを迎える。周辺店舗は店主のメッセージ入りポスターを張り出し、歓迎ののぼりも並んだ。 　隣接する大型商業施設「アルネ・津山」（同市新魚町）には5月、寄せ書きボードが設けられた。「おかえり」「ライブ楽しみ」など応援メッセージ入りの付箋が貼られ、その数は500枚以上。近くの元魚町商店街にも3月、稲葉さんの楽曲「羽」をモチーフに翼を描いた記念撮影用ボードを大阪府のファンの女性が設置し、人気を集めている。

聖地巡礼するファンであふれる実家のイナバ化粧品店。母邦子さん（右から4人目）が記念撮影に応じていた

　本番が近づくにつれてファンの“聖地巡礼”も熱を帯びる。実家のイナバ化粧品店（同市川崎）によると、ライブ開催が発表された昨年12月以降、来店客が増えたという。 　4日に店内で母邦子さん（87）との記念撮影を楽しんでいた会社経営者（52）＝山口県周南市＝は「街の雰囲気を味わいたくなった。稲葉さんの地元での勇姿に期待したい」と話す。

元魚町商店街に設置された記念撮影用ボードでポーズを取るファン

　前回ライブがあった2017年に商店街関係者で結成した「B'z津山を盛り上げる会」は、関連グッズの展示イベントや、2回目のライブ開催を要望する署名活動を精力的に展開。今回も多くの歓迎活動に携わる。 　「稲葉ファンにとって出身地のライブは格別」と出口剛三代表（69）。「ファンとの交流からロックスターを生んだ津山への愛情も感じた。さらにこの地を愛してもらえるよう手厚くもてなしたい」と力を込める。