広島を変える黒田の動く教材としての力
カープの背番号「15」がよく似合う。 18日、ついに沖縄・沖縄市の[コザしんきんスタジアム」でスタートした広島の2次キャンプに前ヤンキースの黒田博樹(40)が合流した。さっそくブルペンに入り、「侍ジャパン」に選出された會澤翼(27)を相手に37球を投げた。 「ブルペンは、まだ自分で評価できる段階ではないです。スライダー以外の持ち球は全て投げました。メジャーのキャンプ初日と同じようなブルペンです」というようにメジャー移籍後、軸のボールになったツーシーム、カットボール、そして新しく取り組んでいるカーブも折り混ぜた。 黒田のキャンプ初日は、広島を変える、2つの可能性を見せてくれた。 一つ目は、日本の公式球でもツーシーム、カットボールという小さく動く変化球に問題がないことだ。受けた會澤が「やっぱり違いますね。いいボールがたくさんありました。黒田さんのボールを受けたのは初めてですが、球がよく動くなと思いました。特にカットボールのキレがよく、(投球終、黒田に)その話をしました」と、驚くほど、ツーシームもカットボールも変化をしていた。 本来、メジャーのボールに比べて、若干小さく、滑らず、指をかける縫い目の高さが低い、日本の公式球は、ツーシームやカットボールなど、握りの変化だけで小さく動かす変化球には不向きだと言われている。おそらく、黒田も、その再調整を日本復帰における一番の課題と考え、初日から変化球を多めに投げたのだろうが、「現時点では違和感なくできている」と適応への感触をつかんでいる。畝投手コーチも「そこが気になるんだろうけど、いい回転のボールで心配はなかった」という。 ツーシームが動き、それがコントロールできさえすれば、メジャー時代に構築した安定感は、そのまま日本でも継続できると考えていい。メジャーのスカウトも「黒田の良さはツーシームとカットを覚えメジャーにアジャストした能力値」と語っていたが、そのアジャスト力は、日本復帰においても力を発揮しそうだ。