「下顎」は国内初 秋田県の山中で270万年前の大型クジラの化石を見つけ発掘 注目の発見も壁…早く掘り出すため資金募る
化石の発掘です。信州大学の教授らが、秋田県の山中で270万年前の大型クジラの化石を見つけ発掘を進めています。進化の過程をひも解く貴重な資料で、早く掘り出すため資金も募っています。
弓なりに曲がった細長い化石。 その大きさは身長170cmの学生が収まってしまうほど。 一部を持たせてもらうとー。 教授: 「はい、どうぞ」 (記者リポート) 「重いです!ずっしり、石のような重みがあります。びっくりしました」 こちらはクジラの肋骨の化石。全長は16mと推測されます。 信州大学理学部・山田桂教授: 「背骨にくっついているところからずっと回ってお腹側。肋骨全部が残っている状態の化石」
古生物学が専門の信州大学理学部・山田桂教授。4年前、共同研究者と共に、秋田県能代市の山中で見つけました。 信州大学理学部・山田桂教授: 「山の中を歩いて地質調査をしている時に、10cm位飛び出た先端の部分を見つけまして、これ、何だろうねという話になって」 露出していたのはごく一部。
発掘を進めるとー。 信州大学理学部・山田桂教授: 「やっと全部出てきたらものすごい大きさで、こんな大きな動物の骨なんだというのがそこで初めてわかりまして正直、本当に驚きました」 周辺の地層などから270万年前・鮮新世のヒゲクジラ類とみられています。これまでに肋骨など約10点を発掘しています。
さらにー。 信州大学理学部・山田桂教授: 「骨自体の長さが4mを超えるものが実は見つかっていまして、それはクジラの下顎の骨だというふうに考えているんですけれども、クジラが進化の過程で、その体を大きくしていった大型化(を解明するために)にすごく貢献できるような化石なのではないかと言われている」 この時代のクジラの下顎が見つかるのは実は国内初めて。
研究者たちも注目する発見ですが、今、壁にぶつかっています。 信州大学理学部・山田桂教授: 「それが、取り出せないんですよね、大きすぎて」 大きな化石を切り出すには専用の機材が必要で、作業を手伝う学生たちの力も不可欠です。