「なやろう」唱和し鬼払い 三重・明和町 年の瀬恒例「追儺のまつり」
斎宮のいつきのみや歴史体験館 雨降り館内で
三重県多気郡明和町斎宮のいつきのみや歴史体験館で21日午後1時半から、年の瀬恒例の第25回「追儺(ついな)のまつり」(公益財団法人国史跡斎宮跡保存協会主催)が行われた。例年は体験館周辺で実施していたが、雨天のため、館内を練り歩き、「鬼」を追い払った。 追儺とは、平安時代の宮中で行われていた大みそかの夜の行事。宮中の人々は目に見えない「鬼」を追い払い、新しい年が幸多い年になるように願って行った。イベントはそれを再現したもの。 この日は、約100人が訪れ、いずれも追儺を執り行う役目の「陰陽師(おんみょうじ)」「方相氏(ほうそうし)」「侲子(しんし)」とおばけ役による儀式を見守った。その後、四つ目の仮面を付けた方相氏、弓矢を持った侲子らと共に、当日募集した小さいかねを鳴らす子供を加えて館内を練り歩いた。参加者も一緒になり、「鬼」の退散を祈り、方相氏の「鬼を追いやる」という意味の「なやろう」の大きな掛け声に続いて、唱和しながら、館内を3周ほど歩いた。 小さいかねを鳴らした町立斎宮小学校1年・森下諒士君は方相氏役の祖父・喜弘さん(63)=明和町斎宮=の後に続いて歩き、「(かねは)ちょっと重たかったです。歩くのが長くてびっくりしました。じーじ、かっこよかった」と話していた。喜弘さんは「大きな声を張り上げることができました。孫が後ろにいて心強かった。いい思い出になりました」と話していた。