もう負けられない[新型エルグランド]!! [アルファード/ヴェルファイア]を倒す必勝法ってなに!!??
■エクストレイルのVCターボe-POWERと、北米アルティマのVCターボで勝負!!
そこで期待したいのは、現行エクストレイルのe-POWERターボ(VC TURBO)の搭載だ。可変圧縮比システムが備わった1.5L直3エンジンで発電するe-POWERシステムは、2WD車はフロントに最高出力150kW(204PS)、最大トルク330Nmのハイパワーモーターを、e-4ORCE(4WD)車ではさらに、リヤに最高出力100kW(136PS)、最大トルク195Nmのモーターを搭載しており、その走りは爽快そのもの。 燃費もWLTCモード燃費で19.7km/Lと申し分なく(4WDは18.4km/L)、わずかだが、自動車税が安くなるという「おまけ」もつく(3.0L超~3.5L以下の57,000円から1.0L超~1.5L以下の34,500円)。ボディサイズが大きく、エクストレイルよりも200kg重たくなるエルグランドへポン乗せしても、十分に戦闘力はあるはずだ。 ただ、アルファードのグレード別の販売動向をみると、やはり現状は廉価なパワートレインも必須だと考えられる。アルファードは2.5L直4ガソリンエンジンのFF車(税込540万円~)が売れ筋グレード。日産のパワートレインでいうならば、北米アルティマ用の2.0L VCターボ(最大出力248hp、最大トルク370Nm)がいいだろう。 とにかくいまはエルグランドの勢いを取り戻すことが最優先事項。自動車メーカーとして、カーボンニュートラルに向き合わなければならないのはもちろんだが、メーカーとして存続できなければ意味がない。キックス、ノート(ノートオーラ)、エクストレイルはe-POWERのみだったが、セレナではガソリングレードを残せたのだから、エルグランドでもできるはずだ。
■アルファードの全長×全幅×全高をそっくりそのまま、そのうえで、デザイン力で勝負!!
そして二度と間違ってはいけないのがボディサイズとデザインだ。まず「エルグランド=スポーツミニバン」という考えをバッサリと諦めてほしい。全高は現行アルファード(全高1935mm)よりも高く、視界の高いミニバンに回帰することが、次期型エルグランドが成功するための絶対条件だ。 ハイパーツアラーのアルファード並みの背高ぶりや、余計なキャラクターラインをなくして面を強調したボディサイド、従来よりもウインドウラインを高めた「アルファードスタイル」は、まさにミニバンユーザーが求めるエクステリアデザインだ。「走りのミニバンで一番になる!!」という目標は、エンジニア出身として筆者も大いに理解できるところだが、それではエルグランドがかわいそうだ。アルファードという最高の見本をベースに、全長×全幅×全高、ホイールベースも丸コピしたうえで、セレナなどで評価されているデザインをとりいれ、「売れるエルグランド」をつくり上げてほしい。 アルファードやヴェルファイアの販売動向、そして海外向けに高額転売されている中古車事情を見ていても、ラグジュアリーミニバン市場は今後も高い需要が見込める。アルファードのベース価格が100万円以上も高額化したとしても、売れ行きは絶好調であることを考えると、次期エルグランドも500~700万円程度に収めれば勝機はあるはずだ。エルグランドユーザーのみならず、アルファードユーザーも心動かされるような新型エルグランドの登場を期待している。