中国の住宅価格、5月に下落ペース加速-政府の刺激策奏功に時間
(ブルームバーグ): 中国の住宅価格は5月に下落ペースが加速した。不動産市場を支援するための強力な取り組みは需要を回復させるのに時間がかかっている。
国家統計局が17日発表したデータによると、70都市の新築住宅価格(政府支援住宅を除く)は5月に前月比0.71%下落。2014年10月以来の大幅な下げとなった。5月の中古住宅価格も前月比1%下落し、少なくとも中国が現在の方法で統計を作成し始めた11年以来最大の落ち込みだった。
中国当局は5月、同国経済の最大の暗雲に対処するため、広範な不動産救済策を発表。住宅ローン規制を緩和し、地方政府による売れ残り住宅の買い入れを支援する方針を示した。これを受け、上海、深圳、広州の3大都市は住宅購入者のために大規模な緩和策を展開。頭金要件を引き下げ、借り入れ負担の軽減につながるよう住宅ローン金利に一段の余地を認めている。首都・北京は行動を起こしていない。
上海と深圳の住宅市場、購入意欲回復の兆し-値引き取り下げも
ただ投資家やアナリストは、これまでに明らかになった中央銀行の資金供給が限定的であることや、いくつかの都市で実施されている既存の試験的プログラムの進展が芳しくないことから、この策が十分かどうか懐疑的な姿勢を崩していない。住宅の供給過剰が価格下落につながり、不動産投資を行う理由を後退させている。
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原題:China Home-Price Slump Accelerates Despite More Stimulus (1)(抜粋)
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