1億7200万円から! ポルシェ「911」のレストア専門ブランド「シンガー」が日本上陸!「コーンズ」とタッグを組み提供するサービスとは
ナロー時代のスパルタンな雰囲気をセンス良く体現したレストア
その後、彼の改造したポルシェの魅力に目をとめた周囲の友人たちから、同種の911を作ってほしいという依頼が集まり、2009年にレストア会社として創業。「964」をベースに、ナロー時代のスパルタンな雰囲気をセンス良く体現したレストア「クラシックスタディ」は、「数台程度ならば……?」という当初の目論見から大きく躍進し、結局は約450台が完成した段階で、価値の低下を避けるために製作プログラムを終了することになった。 さらに2018年には、英国「ウィリアムズ・アドバンスト・エンジニアリング」とのコラボレーションにより、カーボンファイバー製ボディをはじめとする軽量構造と、完全新設計となる空水冷(空冷シリンダー/水冷ヘッド)24バルブのフラット6自然吸気エンジンなど、F1GPで培われたウィリアムズのテクノロジーを大胆に投入した「DLS(ダイナミック・ライトウェイト・スタディ)」も開発。こちらは最大でも76台に限定して「再構築」すると伝えられた。 現在では本拠であるアメリカ南カリフォルニアに約350名、オックスフォードシャーのウィリアムズとの合弁事業である英国ファクトリーにも約250名のスタッフを擁し、シンガー流「再構築」を行っているというのだ。
シンガーの“再構築”を全面サポート
シンガーのトップ2人によるプレゼンテーションに続いて、コーンズ・モーターズの林 誠吾代表取締役兼CEOのプレゼンテーションも行われた。無類のクルマ好きを自認する林氏は、数年前にたまたまページを開いた自動車専門誌にてシンガーに出逢い、すっかり魅了されてしまったという。それでも、まさか数年後にコーンズ・モーターズがシンガーのビジネスをサポートすることになるとは、予想もつかなかったと語っていた。 1964年に英ロールス・ロイス社の日本総代理店となって以来、今年でコーンズの高級車事業は60周年を迎える。また2022年には「心躍る瞬間“クルマってホント楽しい”」を基本コンセプトとして「CORNES MOMENT」を発足。顧客が愛車とともに参加できる体験型プログラムの数々を企画・運営しているコーンズにとって、「THE MAGARIGAWA CLUB」サーキットに感銘を受けたというシンガー首脳陣から届いた申し出は、まさに「渡りに船」だったようだ。 コーンズ・モーターズではシンガー専任のスタッフを用意し、レストアやアフターサービスにまつわる様々な相談は、すべて専属の担当者が行うとのこと。またシンガー側でも、世界で初めての外国語版として特別に用意した日本語サイトで、さまざまなリクエストを受けつけるという。 その後、シンガーの特設サイトに要望を寄せたユーザーにコーンズからコンタクトし、それぞれのユーザーのニーズに合わせてサポートを行っていくという。現時点ではショールームの展開などは考えていないそうだが、コーンズが各地に所有するラウンジなどが「アトリエ」の役割を果たす可能性もあるだろう。 また今回の発表により、シンガーの既存ユーザーはもちろんのこと、今後日本でシンガーが再構築した911を所有することになるカスタマーも、日本国内における専門的なサービスやメンテナンスの幅広い利用が可能となることも言明された。 くわえて「リイマジンド・バイ・シンガー」のベースとなる911は964シリーズに限られ、原則としてカスタマー側が持ち込む必要があるのだが、そのドナーカーを見つける作業も、日本国内ではコーンズ・モーターズが手伝うことも可能とのことだ。