止まらない報復の連鎖、イランがイスラエルに向け180発超のミサイル発射 一部が着弾 イスラエルも報復を宣言
イランは1日、イスラエルに向けて弾道ミサイルを発射したと発表した。レバノンの親イラン派武装組織ヒズボラに対する軍事行動への報復攻撃という。イスラエル側は180発を超えるミサイル攻撃を受け、防空システムで迎撃を行ったと発表した。イスラエルのネタニヤフ首相はイランは大きな過ちを犯したとし、その代償を払うことになるだろうと述べた。 これはヨルダン川西岸のヘブロン上空で撮影されたミサイルの映像。テルアビブでは警報が鳴り響き、防空部隊が飛翔体を迎撃した。イスラエル全土で警報が鳴り響き、人々は慌てて避難した。 イラン革命防衛隊は、ミサイルの一斉発射はイスラエルによる最近の過激派指導者の殺害とレバノンおよびガザへの侵攻に対する報復であると述べた。 この攻撃に対してイスラエルと米国の両国は厳しい反応を示した。イスラエルのネタニヤフ首相はイランは大きな過ちを犯したとし、その代償を払うことになるだろうと述べた。 米国防総省は、米艦艇がイスラエルのミサイル迎撃を支援したと発表。バイデン米大統領は、イランの攻撃は「効果がなかった」と述べた。 バイデン米大統領 「誤解しないでほしい。米国はイスラエルを全面的に、全面的に、全面的に支持する」 イラン外務省は、今回の作戦は防衛目的であり、イスラエルの軍事施設と治安施設のみを狙ったものだと述べた。 イスラエル国内では負傷者の報告はないが、占領下のヨルダン川西岸当局は、男性1人が死亡したと発表した。 一方、テヘランでは市民がこの攻撃を支持。先日殺害されたヒズボラの最高指導者ナスララ師のポスターを掲げる人もいた。 ほぼ1年にわたる戦争に巻き込まれているガザ地区のパレスチナ人も、ロケット弾がイスラエルに向かって飛んでいくのを歓喜した。 このミサイル攻撃の前日、イスラエル軍はレバノン南部に地上侵攻した。同軍は、限定的な地上作戦だと説明している。 しかし18年ぶりにレバノンへの地上作戦が行われ、イスラエル軍と中東で最も武装が充実したイランの代理勢力ヒズボラが対決することになれば、地域情勢は大きく緊張が高まることになるだろう。 レバノン保健省は1日の全土で、イスラエルの攻撃により50人以上が死亡し、150人以上が負傷したと発表した。