【ウインターカップ2024】『洛南のエース』を全うした松本秦の感謝「人としてもバスケ選手としても成長できた濃い3年間でした」
「未熟だった自分を先生方が受け入れてくれた」
河合祥樹コーチも、苦しい状況でも最後まで前を向いて戦い続けた松本を称え、「エースの役割は得点を取ることだけではない」と話した。 「府予選から3ポイントを決めて、オールラウンドに30点近くを取ってきました。周りは彼に点数を取ることを期待していて、松本本人も『チームを勝たせよう』と得点に責任を持っていたと思います。でもバスケットボールはチームスポーツ。点数を取るのはエースの責任ではないです。点数を取れなかったら他の選手が取ればいいし、ドライブできなかったら他の選手がドライブしたらいいのです」 そして河合コーチは洛南のエースに求める姿を次のように語った。 「松本が先頭を走ることで、チームメイトは彼を追いかけていきます。リバウンドを頑張る、味方のためにスクリーンをかける、声をかける。エースはそういうことをやるだけで、チームに大きな力をもたらすと話しました。この試合はファウルが込んでベンチにいることが多かったですが、それでも歯をくいしばってプレーしたことが最後の3ポイントの成功につながったと思います。彼を褒めてあげたいです」 高校最後の試合を終え、松本は洛南での3年間について何よりも感謝を強調した。「何から何まで未熟だった自分を吉田(裕司)先生、河合先生が受け入れてくれて、1年生の時から真剣に面倒を見てくれました。そのおかげで人としてもバスケットボールプレーヤーとしても成長できた、濃い3年間だったと思います」 今後については「オールラウンダーになりたくて入学して、最後の試合で目指したプレーはできなかったですが、少しずつ見につけることができました。大学でもこれを繋げていきたいと思います」と語り、トリプル・ダブルを狙えるような選手を目指す。 故障、そしてファウルトラブルで、本来の力を発揮できずにウインターカップを去ることになった松本だが、大器の片鱗をしっかりと見せてくれた。次代を代表する192cmの万能フォワードとして、次のステージでどんな活躍を見せてくれるのかが今から待ち遠しい。
鈴木栄一