スバルの「青いWRX S4」がデモラン披露!? スバルとトヨタの夢のコラボで何が起きた?
実はこのデモランを見ていた関係者の中に辰己氏の姿がありました。久しぶりにスバル/STIのシャツを着たようですが、話を聞くと嬉しそうに語ってくれました。 「今日初めて乗るとクルマなのに結構飛ばしていましたね(笑)。路面は濡れていたのでスリックタイヤだと滑りますが、実に上手にコントロールしていました。 実は10年くらい前にサーキットでレクサスLFA、ダートコースでインプレッサWRX STI(GRB)の助手席に乗せてもらった事がありますが、あの時よりも間違いなく上達しているな……と」。 そんな辰己氏は勇退の理由の一つとして「人材が育ってきて、ニュルで完璧に勝てるクルマが作れるようになってきました。また、私が言い続けてきたフレキシブルパーツについても定着。若い技術者達の間にも理解が深まっている」と語っていましたが、そこへの期待はどうでしょうか。 「彼らはホントに理解が早いです。その中の一人である藤岡は私が言った理論を『よくここまで理解したな』と思うくらいシッカリと記録に残せていますし、それだけでなく他の人にもシッカリと自分の言葉で説明できます。 役員に説明する時も、難しい質問に対しても動じることなくスラスラと答えられる。この時も私はもしもの時に控えていましたが出る幕はなし。この時に『彼らに託して大丈夫』だと思いました」 恐らくSTIのニュル2時間の挑戦は辰己さんが育てたお弟子さんたちが来年以降も引き継いでくれるはずです。更にTOYOTA GAZOO Racingもニュルの活動を近々再開させる計画があると公言しています。 筆者は長年ニュル24時間の取材を行なっていますが、この2社の「ニュルを通じたもっといいクルマづくり」をこれからも現場で見守りたいです。 ちなみに豊田氏は最後に「STIさんはニュル24時間だけでなく、いつか僕の大好きなラリーの世界にも戻ってほしいと願っています」と。その辺りは別のメディアがスバル大崎篤社長に似たような質問をした所、「プレッシャーをかけられていますが、長い目で見てください」と語ったそうです。そちらのほうも、是非ともよろしくお願いします。
山本シンヤ