新NISAで「長期つみたて投資」戦略…どんなに価格が上がっても、下がっても“絶対に売却してはいけない”ワケ
いよいよスタートを切った新NISA制度。非課税保有期間が無期限、年間投資枠が360万円、非課税保有限度額が1,800万円といったメリットが満載ですが、いまひとつ理解が追い付かない方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、新NISAを活用するために最低限知っておきたい基礎知識について、投資に詳しい公認会計士で税理士の岸田康雄氏が解説します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
選ぶ商品と投資する金額、どうやって決めればいい?
生徒:いよいよスタートした新NISA制度ですが、新NISAで初めて投資をするという方も多いと思います。選ぶ商品や投資する金額は、どのように決めればいいのでしょうか? 先生:選ぶ商品は、全世界株式を対象とするインデックス・ファンドが最適です。この商品で運用していれば、最も効率的にお金を増やすことができます。 生徒:金額はどうやって決めたらいいですか? 先生:投資すべき金額は、年代によって変わってきますが、手元に余っている資金があればその全額を投資すればいいでしょう。働いて稼いだ収入の一部を投資に充てようとする場合、無理のない金額を設定し、毎月同額をコツコツと投資し続けることをお勧めしますよ。 生徒:ちなみに、やってしまいがちな失敗などはありますか? 先生:よくあるのが、価格が下がったからといって短期で売却してしまうケースです。また逆に、価格が上がったことで短期売却するケースもあります。これでは長期分散投資による資産形成ができません。
預貯金や一般的な株式投資との違いは?
生徒:「投資」という分野に、まだ警戒感を抱く方もいると思います。新しいNISAは銀行預金や一般の株式投資と比較して、どのような違いやメリットがあるのでしょうか? 先生:新しいNISAは「配当や値上がりなどの利益が出て儲かっても、税金を支払わなくてよい」という特典を与えられている点が大きな違いです。大変ありがたいですね。また、資産運用において、利益は時間の経過とともに発生します。節税効果も同様です。長く運用するほど利益が大きくなり、節税額も大きくなります。NISAは老後資金を形成するために最適な制度だといえるでしょう。