[MOM4999]明秀日立MF六崎蓮太(1年)_目標は遠藤航…“背番号7”を継ぐルーキーが躍動のミドル弾
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ Sponsored by アディダス ジャパン] [12.31 選手権2回戦 明秀日立高 2-0 近大和歌山高 ニッパツ] 【写真】福田師王が大胆イメチェン「ライオンじゃん」「圧倒的金ピカ」 日本一を知る背番号7・阿部巧実(3年)は怪我のため今大会欠場。その番号を継いだ明秀日立高のルーキーMF六崎蓮太(1年)が勝利を引き寄せる2点目を挙げた。「一回同じシーンがあったときにパスをしてしまった。次にこのシーンがあったら絶対足を振って点を決めてやろうと思って打った」。PA手前からのミドルシュートをゴールに突き刺した。 1-0と先制も拮抗した展開が続く中、点差を広げたのは1年生だった。後半23分、MF尾上陸(3年)からパスを受けると、PA手前でゴールへの視界は開けていた。「あんまり得意じゃない」ミドルシュートを即座に放つと、相手GKに触れられながらもゴールに刺さる。2-0で試合を優位に運ぶ価値ある選手権初ゴールとなった。 六崎は県予選で28番を着けていたが、本大会では7番を着ける。もともとの持ち主だった3年生の阿部は怪我の回復が間に合わず。萬場努監督と阿部が相談した結果、昨年夏のインターハイ優勝を知るその番号をルーキーに託した。 「夏は応援席で阿部さんのプレーを見ていて、ずっと尊敬していた。この人みたいになりたいという思いもあった。この大会は自分が阿部さんの思いも背負って、一戦一戦勝って、阿部さんに優勝という言葉を届けたらと思っている」(六崎) スタジアムにも帯同した阿部からは「ナイスプレー」と褒められた。その言葉に「阿部さんの思いを背負って戦うということを一番に」と活躍を誓っていた。 この試合ではMF柴田健成(3年)と2ボランチを組んだ。オールラウンドな柴田は攻撃参加もするため、六崎はアンカー気味にプレー。県予選決勝でも見せたボール奪取力は全国の舞台でも健在。前半22分には相手に鋭いクロスを上げられるが、オウンゴールにもなりかねないボールの軌道をうまく処理し、ゴールを守り切る。攻撃面でも気が利くポジショニングとボール捌きで、ルーキーらしからぬ貫禄ものぞかせた。 トップチーム参加は8月の終わりだった。「入ったときは(3年生と)レベルが違いすぎて苦戦したときもあった。だけど先発で使ってもらって、強い相手とやるようになっていい経験ができた」。主戦場は中盤の底。攻撃への関わり方は阿部のプレーを見て学んだ。「阿部さんの一つひとつのパスや、相手をだますプレーが本当に上手かった」。できることを増やし、チームに貢献できるようなった。 初の選手権で初ゴール。それでも六崎は課題を見出す。「パスをもらうときのポジショニングやセカンドボールは前半よかった。だけど後半体力がなくなって疲れたときにセカンドボールを取り切れなかったシーンが増えてきた。そこをもう一回見つめ直して次戦につなげたい」。大舞台で躍動を見せても、向上心を垣間見せていた。 夢はプロサッカー選手と力強く語った。参考にするプレーヤーはMF遠藤航(リバプール)。「後ろでバランスを取れたり、前への関わり方とかミドルシュートも決められる。攻守においてバランスが取れる選手。自分も目指したい」。選手権で最高のスタートを切り、プロへの成長をさらに加速させていく。
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