ともに切磋琢磨して世界へと駆け上がってきた村竹ラシッドと泉谷駿介

◇パリ五輪・陸上競技（8月1日～11日／フランス・パリ）8日目 パリ五輪・陸上競技8日目のイブニングセッションに行われた男子110mハードル決勝で、村竹ラシッド（JAL）が13秒21（－0.1）で5位入賞を果たした。 110mH5位の村竹ラシッドが口にした偉大な先輩への感謝「あの人がいなかったら…」／パリ五輪 かつては『世界から最も遠いスプリント種目』とまで言われたこの種目で、ついに五輪ファイナルに進み、堂々の5位入賞を果たした。 「あの人がいなかったら、今、僕はここに立っていない」 村竹が背中を追いかけてきたのが泉谷駿介（住友電工）。順大を選んだのも泉谷がいたからだった。今もともに山崎一彦コーチに師事し、練習拠点が異なるため、一緒にする時間は減ったものの、大きな刺激を受ける。 同じ順大。ハードリングのタイプは真逆。そして、同じ日本記録13秒04を持つ。周囲は“ライバル”に仕立て上げようとするが、互いにそれほど特別視せず、先輩・後輩の間柄。ギスギスした感じもまったくない。 昨年のブダペスト世界選手権では泉谷が初のファイナルに進んで5位。「同じコーチから指導を受けている泉谷さんがいたから、決勝も戦うことが不可能じゃないんだと勇気をもらえました」。ここまで成長できたのは、間違いなく泉谷がいたから。今も練習では「泉谷のほうが上」（山崎コーチ）であり、世界トップハードラーが近くにいたから、決勝でも臆せずに走ることができた。 「感謝していますし、だからこそ負けていられないと思っています」 もちろん、泉谷もまたもっともっと強くなる。今大会で村竹と泉谷がすでに東京世界選手権の参加標準記録を突破。今回果たせなかったダブル決勝、そしてメダルへと夢は広がっていく。