墨の美伝える秀作850点 日本北陸書道院展、富山県民会館で開幕
日本北陸書道院(青柳雛理事長)の公募展「第59回日本北陸書道院展」が2日、富山県民会館で始まり、一般部と教育部の秀作約850点を並べて多彩な書の魅力を伝えている。4日まで。 一般部は約250点を展示する。最高賞の院展大賞には4人が選ばれた。淺田青霄さん(南砺)は歌人の寺山修司の詩を題材とし、字の大きさや形を工夫してメリハリを出した。「先生や書道院の皆さんに感謝したい」と喜んだ。阿部五月さん(富山)は墨のにじみを生かし「臥龍(がりゅう)」としたためた。岐阜県高山市の大幢寺(だいとうじ)にある臥龍桜が好きだった亡き父への思いを込めたといい「父にも見せたかった」と思いやる。 牧田鈴秋さん(同)は端正な篆書(てんしょ)を出品。32文字の漢詩で、集中力を切らさず5時間近くかけて書き上げた。「これからも古典の勉強を続け、書を楽しみたい」と笑顔を浮かべた。黒田山梢さん(同)は寂蓮の歌3首をぼかしの入った料紙につづった。流れるような筆致で趣を伝えている。
青柳理事長も作品を寄せた。幼児から高校生までの教育部は約600点を飾った。県議会議員書道クラブ作品展を併催している。日本北陸書道院、北日本新聞社主催。