岡田利規と藤倉大の初コラボレーション音楽劇〈リビングルームのメタモルフォーシス〉が東京芸術劇場にて開幕

　演劇作家 / 小説家の岡田利規が主宰する演劇カンパニー「チェルフィッシュ」と、作曲家・藤倉大がはじめてコラボレーションした音楽劇〈リビングルームのメタモルフォーシス〉が、9月20日に開幕。9月29日（日）まで東京・池袋 東京芸術劇場 シアターイーストで上演されます。演奏はアンサンブル・ノマド、出演は青柳いづみ、朝倉千恵子、川﨑麻里子、椎橋綾那、矢澤誠、渡邊まな実。開幕を受けて、岡田利規と藤倉大がコメントを発表しています。 　〈リビングルームのメタモルフォーシス〉は、ウィーン芸術週間からの委嘱により2023年に世界初演、その後、ドイツ・ハノーファーでの〈ヘレンハウゼン芸術祭〉と、オランダ・アムステルダムでの〈オランダ・フェスティバル〉で上演されました。今回の日本初上演は、豊島区池袋エリアを中心に開催されている都市型総合芸術祭「東京芸術祭2024」のプログラムのひとつです。 　この作品は、賃貸契約の一方的な破棄により、住む家を追い出されそうになる家族の物語。しかし人智の及ばない強大な力が見え隠れし始め、その問題自体が舞台上から消え去り――人間の世界を圧倒する存在が上演を支配し、まったく新しい世界が舞台上に立ち現れます。俳優たちはナラティブとは別の基準によって作られた振付を遂行し、次第に変態していく。音楽家もまた、楽譜に書き込まれた多彩な技法を用いて音楽を変容させます。 ［コメント］ 作品と、シアターイーストの空間とが、いい感じの関係を結べています。 俳優のパフォーマンスと、アンサンブル・ノマドの演奏との、混ざり具合が気持ちいい感じです。 「リビングルームのメタモルフォーシス」という作品を上演する機会、この演目の感覚的な力を、昨年の世界初演時よりも先のフェーズへと育てていく機会を持てて、とても楽しいです。 その楽しい気持ちで、観客のみなさんをお待ちしています。 ――岡田利規 2年をかけて東京とロンドンを繋いで、岡田利規さんとチェルフィッチュの役者達と共に創り上げたこの音楽劇。最初から最後まで妥協なく挑み続け、新しい表現に挑戦しました。僕がアーティスティック・ディレクターを務めるボンクリ・フェスには岡田さんも訪れ、この経験が作品にも反映されています。 また、僕の作品を一番多く演奏、録音しているアンサンブル・ノマドが加わることにより、東京公演は更に新たな魅力を持つものとなります。 ――藤倉大 Photo by 前澤秀登