スーパースポーツバイクはタンデム前提? なぜタンデムシートが備わっているのか
本当に必要?スーパースポーツのタンデムシート
「バイク」と一口にいっても、用途に応じてさまざまな形状のものが存在します。その中でもスーパースポーツは、走行性能を徹底的に重視したバイク。 【画像】タンデが設定されているスーパースポーツバイクの画像を見る(10枚)
高性能なエンジンのほか、剛性が高いフレームや細かいセッティングが可能なサスペンションを採用した豪華な作りが特徴で、価格も他のバイクと比べて高くなりやすい傾向があります。 このようにオンロードでの走行性能に関しては一流である一方、利便性や快適性という面においては他のバイクに一歩遅れをとってしまいます。 スーパースポーツには、スクーターのように広い収納スペースもなければ、ツアラーのような座りやすいシートもありません。また、他のバイクと比べて非常に前傾する乗車姿勢となり、腰には少なくない負担がかかります。
そんなスーパースポーツをよく見てみると、タンデムシートのあるモデルも数多く存在することに気づきます。一部シングルシートのみのスーパースポーツも見られるものの、多くのスーパースポーツにはタンデムシートがあります。 走行性能に特化したスーパースポーツとはいえ、人を乗せたらその性能を十分に発揮することはできません。そのためタンデムシートはスーパースポーツの設計思想と相容れない存在であるようにも思えます。では、なぜスーパースポーツにもタンデムシートがついているのでしょうか。
最低限の利便性を確保するためにタンデムシートは必要?
走りを追求しているはずのバイクが、利便性も確保しようとするのは不自然だと感じる人もいるかもしれません。しかし、あくまでスーパースポーツは公道を走るバイク。走行性能は重視しつつも、利便性を完全に度外視したコンセプトのバイクではないことを覚えておく必要があります。
スーパースポーツを購入する人の多くは、サーキットだけでなく公道も走行するはず。スーパースポーツ以外のバイクやクルマを所有していない人の場合は、ツーリングだけでなくちょっとした用事で外出する際にスーパースポーツで移動するシーンもあるでしょう。 タンデムシートを設けた場合、ちょっとした移動であれば人を乗せていくことも難しくありません。また、人を載せるだけでなくバイク用のバッグやボックスをつけるスペースとしても活用することが可能。 もちろん、スーパースポーツのタンデムシートは小さく、あるだけで走行性能に悪影響を及ぼすような部品ではありません。そのため走行性能は維持しつつ、最低限の利便性も確保することが可能。 ただしシートの乗り心地はかなり悪く、長時間乗ることが想定されているとは思えません。また、サスペンションのセッティングや車体の重量バランスを考慮しても、タンデムに向いているバイクとは言い難いかもしれません。 しかし、実際にスーパースポーツの後部座席を使うシーンが絶対にないと言い切れる人はそう多くないでしょう。