【フェブラリーS回顧】場内騒然も「まぐれではない」ペプチドナイル 対してオメガギネスら人気3頭の“敗因”は?
競馬専門紙「優馬」佐藤直文のレース回顧
前半3ハロンが33秒9、1000m通過が57秒9という、近年稀に見る超の付くハイペース。トップレベルの馬たちが海外へ、そして前哨戦の勝ち馬たちも不在という寂しいメンバー構成ではあったが、レースの質としてはGIの権威を保つだけのレベルにあったと言えるだろう。 【レース動画】フェブラリーS 優勝:ペプチドナイル(藤岡佑) ペプチドナイルは、激流の中で好位外目をスムーズに追走。直線を向いても手応え十分で、残り1ハロンで先頭に立つと最後まで脚色に衰えを見せずに押し切った。馬群に沈んだ上位人気馬3頭がいずれも自身の前後の位置取りだったことを考えると、実に強い競馬。東京のマイルダートは今回が初めてだったが、この馬にマッチしていたと言える。 2着ガイアフォースは、中団のインで馬群の切れ目だったこともありストレスのない追走。直線で外へ進路を切り替えてから渋太く脚を使い、ダートの適性を十分に示した。試したのではなく、勝算アリと見て使ったリーディングトレーナーの慧眼に感服させられた。 3着セキフウは、後方待機からの直線勝負に徹して、展開が見事にハマった形。近走は小回りコースでの好走が多かったが、この舞台で持ち味をフルに発揮したと言える。 4着タガノビューティーは、スタートを決めてこの馬としてはいつもより前目での追走。直線でも外を回さず、馬群を捌いて一旦は2着確保かと思わせたが、最後に伸びを欠いたのは先に動いた分だったか。 5着キングズソードは、直線で少し追い出しを待たされてしまったが、ラストの伸び脚は目立っていた。初のマイル戦でも対応できたと言えるだろう。 ウィルソンテソーロは、経験したことのない短距離ダート並みのペースでの先行だったのに加え、条件戦で勝っている舞台だったとはいえやはり距離不足だったか。ドゥラエレーデは、この厳しいペースでも折り合いを欠いて本来の力を発揮できなかったもの。直前に坂路で速い時計を出しすぎた影響もあっただろう。オメガギネスは、勝ち馬を前に見るポジションでの追走だったが、ここまで大きく負けるのは、状態面に問題があったとしか考えられない。