12年ぶりに先発した中日松坂大輔の96球5回3失点をどう評価すべきか?
8本のヒットを打たれたが、会心の当たりをされたのは、ゲレーロのタイムリーと、マギーにレフトフェンスを直撃された二塁打の2本くらい。ボールを動かしてバットの芯を外す ── という新しい松坂のスタイルに復活への糸口は見えた。動くボールを生かすために、ひと周り目はストレートを軸にしていた。ストレートの最速は142キロ。全盛期と比べると寂しい数字だが、それを速く見せたいという狙いが成功している打席もあった。4回一死二、三塁のピンチで吉川を空振りの三振にとったチェンジアップなどは、それまでの打席で見せてきたストレートが効いていた打席だった。 だが、ストレートの威力と変化球のキレ、そしてコントロール。この3つが重ならないことには、簡単に炎上してしまうという危険性も合わせ持つ。まだ完全な信頼は寄せられないだろう。 松坂は、今日、登録を抹消され、次回登板への準備に入る。 森監督は、中6日でローテーに入れるかどうかを試していきたい考えを明らかにした。 4年ぶりとなる復活の1勝はお預けとなったが、池田さんは「初勝利が目前とはまだ言えない」と言う。 「問題は96球を投げた後の肩の回復の状況だと思う。ソフトバンク時代も、そこが課題だった。次の登板内容を見たときに初めて首脳陣もどう使うかのビジョンがハッキリしてくるのではないか」 復活の可能性は見せた。だが、完全復活と呼ぶにはまだ早い。松坂は、移籍初勝利はもちろんのこと、1年間、戦力になれるという回復度も証明していかねばならない。