阪神・ビーズリー 初完投で無傷3勝目 進化の2年目好調の要因は“ほどほど”の練習
◇交流戦 阪神4-1西武(2024年6月8日 甲子園) 阪神・ビーズリーは最後の左飛を見届け、天に向かって帽子を掲げた。志願して上がった9回。1死二、三塁からの二ゴロで1点を失い、球団外国人では19年5月26日DeNA戦のガルシア以来の完封を目前で逃しても、119球を投げきって来日初の完投勝利を挙げた。 中野、森下と3人で並んだ殊勲の壇上。今季の全4試合でバッテリーを組む女房役・梅野の名文句を借りて、ファンを沸かせた。 「タイガースファンズ、アシタモ、カツバイ!」 立ち上がりから快調だった。「前半は、どの球種もスゴく良かった」と直球、スライダー、スプリットなどを織り交ぜて5回までわずか53球。リズムよく打たせて取り、スタミナは十分だった。5回は先頭の長谷川に左前打。今季初登板から数えて右打者には34人目で初めて許した安打にも動じず、続く西川を初球で二ゴロ併殺に退けた。「スピンの利いた大きいスライダーに、右打者が慣れていないことが要因だと思う」。6回無死一、二塁でも後続を断ち危なげなかった。 “ほどほど”の練習スタイルが好調の源だ。研究熱心な性格で練習をやりすぎるタイプ。来日1年目の昨季は日本人選手の練習量を目の当たりにし、「もっとやらないといけない」とオーバーワークから疲労がたまってパフォーマンスに影響が出た。反省から今季はどれだけ状態が良くても「やりすぎない」と言い聞かせる。右肩、腰、骨盤回りなど体のケアを入念にして1日を完了。1年目の失敗を2年目の進化につなげた。 4度の先発で無傷3勝の防御率0・69。「監督が勝率5割になって、ここから開幕と言っていた。昨日、今日と、いい2試合ができて良かった」。快投で“開幕2連勝”を演出した。(松本 航亮) ▼阪神・梅野(1失点完投のビーズリーについて)お互いの思いを伝えながらできた。2人で併殺を狙いに行って取れたので、喜びは大きい。 【阪神助っ投の甲子園完投勝利はメッセ以来5年ぶり】ビーズリー(神)が来日初完投勝利。阪神外国人投手の完投勝利は22年6月12日オリックス戦のガンケル以来2年ぶり。甲子園での完投勝利は19年5月4日DeNA戦のメッセンジャー以来5年ぶり。