毒性持つ「アカカミアリ」大阪・南港で初確認 どんなアリなの?
コンテナを一時的に置いていた地点に捕獲トラップ
大阪府は27日、大阪市の南港で陸揚げされた貨物コンテナ1個の内部から発見されたアリが特定外来生物である「アカカミアリ」と確認されたと発表した。同府などはコンテナを一時的に置いていた地点などに捕獲トラップなどを設置した。 【拡大写真付き】危険なアリ「ヒアリ」尼崎で国内初の確認 環境省が緊急調査
確認された経緯は
環境省や府などによると、アカカミアリが発見されたのは23日。コンテナはフィリピン・マニラ市の国際港を8日に出港した貨物船に積まれており、17日に大阪市住之江区の南港で陸揚げ。20日に同府岸和田市内にコンテナを搬送し荷出しが行われ、翌21日に空の状態でコンテナが南港に戻された。 22日に南港から大阪府枚方市内に空のコンテナが移され、利用者が中を確認した際、アリが付着していたため業者に交換を依頼した。業者が南港に戻ったコンテナを確認したところ、アリを3頭確認し捕獲。環境省に連絡したところ、アカカミアリの可能性が高いと判断されたため、同省から府やコンテナが留置された市に連絡した。 26日に専門機関により、このアリがアカカミアリであることを確認され、また、コンテナが一時的に置かれた地点で目視調査、捕獲トラップと毒餌を設置。大阪市の地点では、アカカミアリ2頭を確認し、捕獲したという。
アカカミアリはどんなアリなの?もし見つけたら?
府の発表資料などによると、アカカミアリの原産地は米国南部から中米で、国内では沖縄県などで確認記録があり、過去にも輸入貨物の検査時に発見された例は複数回あるという。 体長は3~5ミリメートル程度で色は全体が赤褐色、頭は褐色。亜熱帯地域の草地など開けた環境に生息し、土の中で営巣。甘露や植物の種などをエサとし、水に浮かんで集団移動するなど拡散能力が高いという。 攻撃的で、人が刺されるとアルカロイド系の毒によって激しい痛みを伴い、水疱上に腫れるという。 府などはアカカミアリを見つけた場合はさわらないで、近畿地方環境事務所(電06・4792・0706)、府環境農林水産部みどり推進室みどり企画課(電06・6210・9557)への連絡を呼びかけている。 近畿では、先月に神戸港(兵庫県神戸市)で陸揚げされ尼崎へ運ばれたコンテナの中から発見されたアリが、猛毒を持つ特定外来生物「ヒアリ」と確認され13日に発表された。その後、そのヒアリを神戸港で調査していた21日、アカカミアリが見つかったと発表されている。