５回無死、右越えソロ本塁打を放ち、ガッツポーズする中山礼都（カメラ・宮崎　亮太）

◆２０２４　ＪＥＲＡ　クライマックスシリーズ　セ・ファイナルステージ　第５戦　巨人１―０ＤｅＮＡ（２０日・東京ドーム） 【動画】中山礼都　値千金の先制弾！！ 　伏兵と言ったら失礼だが、２０１２年の大逆襲もそうだった。中日に３連敗から巻き返し、迎えたＣＳ最終ステージ第５戦。古城の先制タイムリーから最後は石井義がサヨナラ打で決め、乗りに乗った。翌日「１０・２２」の最終決戦は、負ける気がしなかった。当時に似ている。中山の“プロ１号”が決勝弾。門脇、増田大のスーパープレー。岸田の盗塁阻止も忘れてはいけない。今年を象徴する守り勝ちだ。 　チームとして反省点も何個かあるが、もう勢いに乗っていこう。「あと１勝」に集中だ。その１２年ＣＳ、私は５番打者として、打率は２割そこそこ。状態はいまいちも、気迫だけは周りに負けないように挑んだ。その上で自分のやれることを的確にこなす。目の前の１点を死にものぐるいで奪う。全員が同じ方向を向いた結果、最後はまたも伏兵・寺内がＶ打をさらった。 　「１０・２１」の先発は戸郷。中３日の菅野も待機するだろう。３戦目に投げたグリフィンもいこう。１９９４年の「１０・８決戦」のように、今季の柱３枚の出番。打線奮起も期待したいが、足を使ってかき回したい。中でも中山は人生を変える大チャンスだ。一発ヒーローになったが、７回１死一塁のエンドランで打ち上げてはダメ。やれることはきちっとやる。伏兵から主役に昇格するには今しかない。（スポーツ報知評論家・高橋　由伸）