『ピクミン』が発売された日。CMソング『愛のうた』が話題を呼んだゲームキューブの名作【今日は何の日?】
※本記事は、2023年10月26日にアップした記事を再編集したものです。 運んで、戦って、増えて、食べられて 【記事の画像(3枚)を見る】 いまから23年前の2001年(平成13年)10月26日は、ニンテンドーゲームキューブ用ソフト『ピクミン』が発売された日。 『ピクミン』は任天堂から発売されたアクションゲームで、リアルタイムストラテジーのような要素を併せ持つのが大きな特徴。公式サイトでは“AIアクション”と表記されており、既存のジャンルに分類するのはなかなか難しい。パズル要素も多分に含んでいた。 初代『ピクミン』の主人公はキャプテン・オリマー。何となく察せられるかもしれないがオリマーという名前はマリオのアナグラムになっている(『ピクミン2』では新米社員としてルーイも登場した)。 オリマーは不慮の事故で墜落した未知の惑星から脱出するべく、バラバラになった宇宙船のパーツを集めなくてはならないのだが、オリマー自身はできることが少ない。代わりに手足となって働いてくれるのが現地の謎の生物“ピクミン”というわけだ。 これはシリーズに共通することなのだが、ピクミンはなぜかオリマーに協力的でつねに付き従い、指示を出せば軍隊のようにキッチリと集合・整列する。何かに投げつければ近くにある物に応じて各自が判断し、物を運んだり障害物を破壊したりしてくれるのだから賢い。このときのちょこまか動く姿がじつに愛らしくてかわいらしいのだ。 危険な原生生物であるチャッピー(体の半分くらいある大きな口が特徴の敵)などにけしかければ勇敢に戦いもする。ワラワラと敵にたかっている姿はアリのようで若干キモくも感じるのに、でも見ていたくて目を離せなくなるから不思議だ。傷つき数が減ったら栄養分であるペレットを持ち帰らせれば、ピクミンは種を吹いて増殖するといった具合。芽吹いたピクミンをオリマーが引っこ抜けば、再び命を賭けて働いてくれるのだからなんて健気なのだろうか。 ピクミンたちは体の色によって得意分野が異なり、状況に応じて使い分けていくのも楽しいポイント。攻撃が得意な赤ピクミン、水に強い青ピクミン、バクダン岩を扱える黄ピクミンというような性能差がある。さらに『ピクミン2』では白と紫のピクミンが、『ピクミン3』では岩と羽ピクミンが、最新作の『ピクミン4』では氷とヒカリピクミンが追加されるなど、作品ごとに登場ピクミンが多少異なっていた。 『ピクミン』と言えば、ストロベリー・フラワーというバンドが歌ったCMソング『愛のうた』もかなり有名だ。お子様をはじめ、働く大人たちにも地味に人気を博していたようで筆者は昼の情報番組で取り上げられているのを観て驚いた記憶がある。ピクミンたちが健気に働く場面が脳裏に浮かぶような歌詞に、サラリーマンの姿を重ねてシンパシーを感じてしまったようで何とも切ない話だった。 2021年11月1日には、任天堂とNiantic(ナイアンティック)が共同開発した、スマホ向け新作位置情報ゲーム『ピクミン ブルーム』の配信がスタート。プレイヤーが実際の街を歩くことでピクミンを育てたり、道に花を咲かせるという内容で、プレイヤーキャラクターの後ろをついて回るピクミンがじつに愛らしい。ほかのプレイヤーが咲かせた花も画面に表示されるため、駅や大きな街道沿いには無数の花が咲いていてとてもワクワクする。『ピクミン ブルーム』をきっかけに、散歩へ行くのが楽しくなった人も多いだろう。 シリーズの最新作は、2023年7月21日に発売された『ピクミン4』。とある惑星で遭難してしまったオリマーと彼を救助しようとして遭難したレスキュー隊員たちを救出することが目的となっており、新たな種類のピクミンや救助犬オッチンの登場によって興奮に満ちた冒険を楽しめる。また、9月22日には『1』と『2』のHDリマスター版がセットになった『Pikmin 1+2 (ピクミン1+2)』が発売。『4』で初めてシリーズに触れた方はもちろん、もう一度あの世界に浸りたい方は、チェックしてみてはどうだろうか。