ワールドコイン(WLD)、シンガポールで「Orb」検証サービス開始
シンガポールでサービス開始
暗号資産(仮想通貨)プロジェクト「ワールドコイン(Worldcoin)」が、シンガポールで「オーブ(Orb)」検証サービスが利用可能になったと12月27日発表した。 「ワールドコイン」は「オーブ」と呼ばれるボール状のデバイスで網膜をスキャンし、各人それぞれの虹彩の特徴をデジタルコードに変換することで個人を識別する「World ID」を発行している。「オーブ」検証サービスは今年4月より東京から開始されており、北米やヨーロッパ、中東、アジアの多くの場所で行われてきた。「オーブ」のスキャンは無料ででき、スキャンしたユーザーは暗号資産「Worldcoin(WLD)」が受け取れる。 また発表によるとワールドコイン関連企業のツールズ・フォー・ヒューマニティ(TFH:Tools For Humanity)がシンガポールのスタートアップのアクセス(ACCESS)とシンガポール・フィンテック協会(SFA)のメンバーになったという。 ワールドコインはこの動きを「プロジェクトの立ち上げと協会への加盟は、TFH製品開発チームのメンバーが最近行ったアジアでの複数都市ツアーを受けたもの」だと説明している。 ●ユーザー拡大を強調 また今回の発表では、ワールドコインの「ワールドアプリ(World App)」のダウンロード数は500万ダウンロードを突破し、MAU(月間アクティブユーザー数)は170万人になったことが伝えられている。また、アプリ上の総取引数は3000万件を超えたとのことだ。 ●ワールドコインについて ワールドコインは、AIチャットボットサービス「ChatGPT」を提供するオープンエーアイ(OpenAI)のCEOであるサム・アルトマン(Sam Altman)氏によって設立され、7月24日に正式ローンチしたプロジェクトである。 ワールドコインの「オーブ」はこれまでインド、ブラジル、フランスの他に、アルゼンチン、チリ、ドイツ、香港、日本、韓国、ポルトガル、スペイン、アメリカで設置されており、新たな設置国としてメキシコとシンガポールで展開されている。なおケニアでも「オーブ」は設置されていたが、今年8月にケニア内務省により「ワールドコイン」によるケニアでの活動は一時停止となっている。 また12月には、インド、ブラジル、フランスでの「オーブ」検証サービスが終了したことが報じられている。
髙橋知里(幻冬舎 あたらしい経済)