勝ち組×勝ち組で誕生する東京科学大 「早く世界で戦えるように」
東京工業大と東京医科歯科大という二つの国立大が10月1日に統合し、東京科学大が誕生する。国立大の統合は、大阪大と大阪外国語大が統合した2007年以来。しかも、国内トップ級の研究力を誇る大学同士という異例の統合となる。両大学は、なぜこのタイミングで、多大な労力をかけて統合に踏み出すのか。 【図表】2024年版世界大学ランキング 「国内では勝ち組と言われるが、世界的に見ると勝ち組ではない。早く世界で戦えるようになりたい」 新大学の初代学長(大学総括理事)に就く田中雄二郎・東京医科歯科大学長は、統合の狙いをそう語ってきた。 86ある国立大のうち、教職員の人件費や研究費などに使われる国からの運営費交付金の配分額は東工大が10位で、医科歯科大が19位。経常収益などの数字を見ても、両大学とも多くの地方大学を上回る規模だ。 すでに優秀な研究者や学生が集まり、東工大は理工系分野で、医科歯科大は医学分野で、国内トップ級の研究力を誇る。両大学とも、世界最高水準の教育研究活動を期待されて、国から「指定国立大学」には指定されている。
朝日新聞社