それでも就任発表と時差が生じる点と、何よりも「一部報道でご存じの方も――」と綴られたポストの不必要と思われる冒頭部分が、ただでさえ福岡の対応に不満を抱いていたサポーターやサッカーファンの心情をさらに刺激した。 　問題のポストには、後手を踏み続けるフロントを批判するコメントで炎上した。 「なぜ同時じゃなく翌朝これを出すのか」 「こんな公式発表見たことなくて草」 「反発あったからやるよ！的な感じが伝わってゲンナリです」 「文体といいタイミングといい、内部の混乱を感じさせる」 　一方でスポンサーの突然の撤退も明らかになった。 　代表者兼店主が福岡県出身という縁で、2014年に福岡のサポートファミリー「ブロンズ」に名を連ね、翌2015年からは同「シルバー」に昇格してチームを支えてきた、スポーツ居酒屋の『KITEN!』（東京都杉並区）が13日に公式HPを更新。福岡とのオフィシャルスポンサー契約を、今年いっぱいで一旦終了すると表明した。 　今後も福岡の熱烈な応援を続け、来シーズンの試合開催日には店内のテレビモニターや大型スクリーンで放映も続けるとしながらも、契約更新を見送る決断をくだした理由について、同店は公式HP内で次のように言及している。 「今回、諸般の事情を受け、契約の一旦の終了を決断した次第です。サポートには、様々な形、様々な方法があると考えます。当店においても、今後のアビスパ福岡へのサポートについて一度立ち止まって考えてみようと思います」 　文面では金新監督の就任うんぬんにはいっさい触れていない。しかし、福岡から公式発表された、まさに直後にスポンサー契約更新の終了が表明されたタイミングもあり、同店の公式Xのポストには次のようなコメントが寄せられている。 「諸般の事情って絶対監督問題だろうなぁ」 「スポンサー様、サポーターを雑に扱うと黙っていないという事ですね」 「フロントはこの決断をどう思う？重く受け止めてもらわないと」 「好きなチームに出資までしてたのに、そのチームから悩まされるってキツイよな」 　記者会見の実施に関しては、先述したようにクラブ公式Xでは発信されているものの、同公式HPではいっさい言及されていない。13日の就任発表時にリリース内で記されなかった点もあわせて、サポーターにはこれも不可解な対応と映るだろう。 　そのリリースのなかで金氏は鳥栖時代の自らの行為が発端となって起こっている騒動を謝罪するとともに、今後へ向けてこんな言葉を綴っている。 「今回のお話をいただき、私自身熟考の末強い覚悟と責任感を持って決断いたしました。皆様に信頼していただけるように、言動やピッチで躍動する選手達を見ていただけるように日々全力で取り組みます」 　会見の焦点は、いまでは金氏へオファーを出した福岡側に移っている。そこでサポーターやサッカーファン、そしてスポンサーを含めたクラブの周囲を納得させられるのか。新体制になった福岡が、早くも正念場を迎えようとしている。