山形中央、決勝進出逃す 秋季東北地区高校野球
第77回秋季東北地区高校野球大会は第5日の18日、福島県いわき市のヨークいわきスタジアムで準決勝が行われ、本県第3代表の山形中央が聖光学院（福島第1）に1―7で敗れ、初の決勝進出を逃した。 準決勝2試合目の花巻東（岩手第2）―青森山田（青森第1）は一回途中で雨天のため19日に順延・継続試合となった。来春の選抜大会は今大会の成績を基に選考され、東北出場枠は「3」。準決勝2試合目と決勝の結果によるが、山中央にも出場の可能性は残されている。 山中央は三回、2死一、三塁からの2連打で2点を先制された。四、五回にも2点ずつ奪われ、リードを広げられた。七回の攻撃で6番奥山卯月の適時打で1点を返してコールド負けを防いだが、追加点は奪えなかった。聖光は3番菊地政善（天童四中出）が3安打2打点の活躍だった。 19日は準決勝1試合が行われる。決勝も20日に順延となり、聖光学院と花巻東―青森山田の勝者が対戦する。
相手に勢い、厳しい結果も自信つかむ 東北大会2試合連続完投で躍進の原動力となった山形中央のエース小坂楓が、準決勝で相手打線につかまった。連投による疲労と雨天の影響からか、聖光学院の打者に芯で捉えられる場面が続き、被安打11と崩れた。小坂は「ボール球を振ってもらえず、しぶとく打たれてしまった」と悔しがった。 雨が降りしきる中、捕手佐藤優気は「変化球が抜けやすくなるので投げやすい直球中心に組み立てた」と配球の意図を説明。130キロ台中盤の直球に威力はあったが、変化球のキレが本調子ではなく、毎回のように先頭打者を出してピンチを招いた。 四回2死二塁の場面では、左前安打から本塁に突入した二走を刺す好守備もあったが、聖光の勢いは止まらなかった。白崎謙監督は「相手打線が一枚も二枚も上だった」と振り返った。 山中央にとって、秋の東北大会準決勝は初めて。厳しい結果に終わったが、収穫もあった。六回からマウンドを託された1年生右腕の奥山卯月が被安打1と好投。小坂も打撃では3安打と気を吐いた。「自信をつかみ、課題も見つかった大会になった」と白崎監督。「しっかりと体をつくる」（小坂）、「徹底的に練習する」（佐藤）。東北のライバルに追い付き、追い越す鍛錬の冬が始まる。
