14歳でプレミアEAST初得点、胸に刻む鈴木優磨の姿…鹿島JrユースFW高木瑛人は10人劣勢で圧巻2発も「1人、2人少なくても勝たせる選手に」
[12.25 高円宮杯U-15準決勝 鹿島Jrユース 3-6 G大阪Jrユース 味フィ西] 【写真】なでしこDF北川ひかるが母と韓国旅行「とてつもなく美人」「モデル?」「アップ、めちゃカワ」 前半のうちに退場者を出した上、スコアは0-3のビハインド。それでも鹿島アントラーズジュニアユースは勇敢に後半のピッチに立った。 中でも圧倒的なパフォーマンスを見せたのが、今年7月に当時14歳で高校年代最高峰の高円宮杯プレミアリーグEASTで得点も決めたエースのFW高木瑛人(3年=鹿島ジュニア)だった。まずは後半2分、GKからのロングキックを恐るべき跳躍力でフリックすると、これにFW礒部怜夢(1年=鹿島ジュニア)が反応。PKのビッグチャンスを導いた。 キッカーはもちろんエースの仕事だ。「点を取らないと勝てないということでどんどん前に行って、1年生の磯部くんがPKを取ってくれて、蹴らせてもらって、決め切ることができた」。高木はPKを譲ったスーパールーキーへの敬意も胸に、しっかりとゴールマウスに蹴り込んだ。 その後は相手のG大阪ジュニアユースも猛攻に出てきたため、一方的な反撃とはならない。ただ、1-5で迎えた後半17分にも高木は貫禄のスーパーゴールを決めた。 同じくユース帯同を経験している大黒柱のMF小笠原央(3年=鹿島ジュニア)からメッセージ付きのパスを受け取ると、ペナルティエリア右から右足一閃。グラウンダーのシュートをゴール右隅に突き刺した。「個もあるけど、熱量で、気合いで決めた」。スタンドからは控えメンバーから「奇跡を起こせ」の大合唱が送られる中、またもエースの仕事を成し遂げた。 その働きには勝利したG大阪ジュニアユースのエースFW城阪光喜(3年)も「プレミアで出ている高木くんがすごかったです」とただただ感嘆。城阪自身も2ゴールを決めていたにもかかわらず、「この世代でも別格ですし、あれを目指して越していかないと日本代表にはなれない。足元にも及ばないけど、これから先、意識していきたい」というほどだった。 そんな高木は中学3年の今季、3学年上の選手たちが主体となる鹿島ユースのAチームでも出場機会を獲得。これまで近い世代では絶対的なエースとして君臨してきたこともあり、当初は「うまくいかないこともあった」という。 それでも才能を持つ逸材に試される環境を用意し、それをサポートする体制を組んでいるのが今の鹿島アカデミー。高木は「最初はやりたくないことはできないという感じだったけど、そこで何をしないといけないかを考えて、プロになる近道をジュニアユース、ユースの監督から教わって、自分にベクトルを向けて練習、試合に臨めた」と鍛錬の日々を成長につなげてきたようだ。 また高木にとって、トップチームに憧れの存在がいることも大きかった。「目標は鈴木優磨選手のように熱量があって、チームを勝たせられる選手」。かつてはゴール前にプライオリティを持っていた高木だったが、守備にも奔走する鈴木の姿勢に触れる日々を経て、いまは「攻守にわたって貢献できる選手」を目指している。 この日も数的不利の中で、そうした一面をいかんなく発揮した。「もちろん攻撃の選手なので攻撃が好きだけど、チームのために勝利のためにやらないといけないことはやらないといけない。攻守に活躍できる選手を自分は目標としているし、攻撃ができない時もサッカーの中ではある。マイナスに考えず、プラスにプラスに考えて試合を進めていけたので良かった」と手応えを語った。 ただそれでもなお、試合後には「やり切った思いは強いけど、ここで自分が勝たせられたら良かった」という悔いが残った。究極の目標は、どんな状況でもチームを勝利に導ける絶対的なエースだ。鹿島の未来を担う15歳は数的不利で奪った2ゴールにも満足せず、「どんどん得点力を上げていって、1人少なくても、2人少なくても自分がチームを勝たせる選手になりたい」とさらにスケールの大きな将来を誓った。