「なぜなら冴羽獠っぽくないから」シティーハンターであるために守るべきこと Netflix 映画『シティーハンター』鈴木亮平×森田望智インタビュー
人生をかけて冴羽獠に憧れてきた
ーー鈴木さんから見た森田さんのここが香っぽいな、似てるなといった部分はありますか? 鈴木 真っ直ぐなところは似てるなと思います。森田さんの演技に対する姿勢と香の正義に対する向かい合い方がすごく似ている。 森田 え、私自身が似ている? いやストイックな亮平さんにそんなこと言われるのってすごい感銘です。ありがとうございます。 ーー森田さんから見た鈴木さんの冴羽獠感ってありますか? 森田 わからないんですけど‥‥全体的に寄せているっていうか、本人そのものが。 鈴木 するどいね(笑)。 森田 普段もかっこいい部分とちょっとお茶目な部分が混ざっている感じはものすごくします。お芝居に対する姿勢というより、亮平さんの性格的な部分で、ちょっと近寄ると突き放されたりします(笑)。 そんなところもあれば、陰で見守ってくれている感じがあって、本当にかっこよさと遊び心をあわせ持っている感じがあります。どうですか? 鈴木 それは……多分ね。僕が、寄せてきたから。 森田 (笑)。 鈴木 人生で30年ぐらい好きだから、意識的にも無意識的にも寄せて生きてきて、訳わかんなくなってる。まぁ影響を受けたってことですよね。だからシリアスになりすぎてるなと思ったら、それは自分の中でかっこよくないんです。なぜなら冴羽獠っぽくないから(笑)。 ーーいつごろから冴羽獠に寄せたって自覚があるんですか? 鈴木 覚えている限り、小5です。初めて買ってもらったCDが「シティーハンター」のサントラで。CDウォークマンで聞きながら、冴羽獠の気分で散歩してましたね。「俺の名は冴羽獠」って、神谷さんの声で(笑)。 ーー鈴木さん、劇中でもたまに神谷明さんの声みたいでした。 鈴木 いやもうなんかね、なっちゃうんですよ。セリフで「もっこりちゃん」って書いてあったら、もうそれ以外、僕は言い方を知らないから(笑)。本当は神谷さんっぽくなるのは避けようと思ったんですけど、途中から諦めましたね。 ーー森田さんも似てるなって思いませんでした? 森田 私はてっきり寄せてらっしゃるんだと思っていて、もうなりきってしまっているからそうなっているんだと。実は似ないように遠ざけているって話をさっき知って逆にびっくりしました。 鈴木 なっちゃうんです。今までやったアニメの声優の仕事とか、改めて聞いてもやっぱり全部神谷節が入っちゃってる(笑)。 ーー本作ははじまりの物語という立ち位置でした。今後こんなエピソードをやりたいなという思いはありますか? 森田 私が好きなのは、獠さんに恋心ある香ちゃん。でもそれを出せないところがすごく好き。2人がとても純粋で、もうちょっと頑張ってほしいっていう応援する気持ちで見ていたので、それができたら本作は全く違うテイストで面白いものができるんじゃないかなと思います。 鈴木 僕も「シティーハンター」は、アクションとかの前に獠と香のラブストーリーだと思っています。そこを大事にしていきたいのは同意ですね。 具体的なエピソードで、シティーハンターに憧れてスクープを狙う記者の冬野葉子っていうヒロインが出てくる「恋人はシティーハンター」(コミックス13巻第140話~146話「暁のMEMORY」(コアミックス))っていう回があるんですけど、そのエピソードが大好きなので、ぜひやりたい。 ーー今回はまだ恋心に気づいていない状態ですもんね。獠と香のラブストーリーをやるためには、あと何作か作らないといけないですね。 森田 (笑)。 鈴木 もし次作があるなら、今回の何年後かから始まるストーリーが見たいかな。獠と香がもうすでにパートナーになっているところから。まぁ、僕に決定権があるわけじゃないからあれですけどね(笑)。
取材・⽂ / 小倉靖史