「なぜなら冴羽獠っぽくないから」シティーハンターであるために守るべきこと Netflix 映画『シティーハンター』鈴木亮平×森田望智インタビュー
もっこりと100tハンマー問題
ーー拝見して"シティーハンターらしさ"を追求されたということが伝わってきました。Netflixで実写化のニュースを聞いた際、「もっこり問題」をどうするのかな?と心配していたんですが杞憂でしたね。 鈴木 世界配信の場合に「もっこり」っていう言葉を使うかどうかっていう議論もあったんですよ。でも、"もっこりがなかったらシティーハンターじゃないよね"ってところは守らなきゃいけない。 まずは日本の観客に、”これはシティーハンターだね!”って言ってもらえるものを作って、例え外国の人にとってわからないところがあっても、そのままお伝えして気に入ってもらえればとはいいなと。その結果、なぜか冒頭から「もっこり」を連発することになりました(笑)。 海外の観客を意識していないわけではなくて、わからないものの楽しみ方ってあると思うんです。まず「もっこり」っていう言葉が日本語以外に訳せないんですよね。 ーー字幕はどうなってるんですか? 鈴木 各国では、「MOKKORI」とそのままローマ字で表記されているんです。ストレートなんですけど、「もっこり」というのは決してその意味だけではないし、シティーハンターではかなり広義で使われていますから。そのニュアンスは、なかなか翻訳しづらいですよね。 ーー今のご時世では使えない言葉や動きが「シティーハンター」にはあって、世界配信で気をつけなければならないところはありますよね。 鈴木 例えば今回は、現代の常識に合わせて「相手の同意なしに女性の体に無闇に触らない」というルールを設けました。現代の観客が観た時に嫌悪感を持たれて、獠が嫌われるようなことは一番避けなければいけないと思いました。 ーーじゃぁ、美人のことは「もっこりちゃん」とは言わないんですね。 鈴木 それは言いますね。あと、"もっこりのご用命もぜひ"とか‥‥なんのことかよくわかんないですけど(笑)。 ーー便利な言葉ですからね。 鈴木 というか「シティーハンター」以外でその言葉は使われてないですよね。 ーーーあとは、「シティーハンター」といえば、香の100tハンマーですよね。森田さんは最初にハンマーを持ったときにどう思いました? 森田 私も漫画を読んでいたので、ハンマーはどうするんだろう?ってずっと思っていました。フランス版は大きなハンマーじゃなくて、本物のハンマーを使ってらっしゃるし‥‥と思っていたら、現代にマッチしたアイデアで、本当に大きなハンマーを持てることになりました。 現実世界で、あのハンマーを持つなんて絶対にできないと思っていたけど、こんなアイデアあるんだ!って、心打たれてすごく嬉しかったです。今の日本のカルチャーだからこそできることですし、その文化も伝えられるとも思いましたし"すごくいい使い方だな。これは私がマスターしないと!"って気合いを入れて頑張りました。 鈴木 なぜか最初に持ったときからきてたよね。女性だと力がないから、ハンマーに振り回されないようにちょっとアドバイスしましたね。 森田 持った瞬間から、自ら操る感じがあるのが香ちゃんだから、めちゃくちゃ練習しました。ハンマーが意外と重くて(笑)。うまく扱うのがすごく難しかったですけど、最終的には、これが香ちゃんなんだって思えたのでよかったです。