音尾琢真、ロックで奏でる自身のすべて 好きなものを詰め込んだツアー『This is Who I am』初日レポ
観客の“琢真コール”で迎えた大合唱のアンコール
元気いっぱいの手拍子と「琢真! 琢真!」というコールに応えて行われたアンコール。ステージに再登場した音尾が「調子悪い人?」と問いかけると、挙手した女性が「腰いたーい!」という朗らかな声を響かせた。「わかるよ。俺もライブハウスに行くと腰が痛い。そういう時は、こういうストレッチをしたら治るよ」と実演する親切さに和まされる。「I love you, John!」という観客の声に「I love you, too!」と返すジョン・メイヤーと同じように「I love you, too!」と言えることを喜んだ音尾が手にしたエレキギターは、本編でも度々弾いていたストラトキャスター。このギターを愛用しているのは、世界的な名プレイヤーであるジョン・メイヤーへのリスペクトの表れでもあるのだろう。 「もうちょっとロックしますか?」と言ってブルージーなフレーズをギターで軽く奏でつつ歌い始めたアンコールの1曲目は「40years」。起伏に富んだ展開を経ながら雄大に高鳴る様が心地好かった。そしてラストを飾ったのは「きみからつづく」。観客の大合唱を浴びながらギターを奏でた音尾が、とても嬉しそうな表情を浮かべていたのが思い出される。音楽活動も彼の大切な場所となっているのを再確認させられた。 「本当にどうもありがとう!」と観客にあらためて感謝した音尾は、バンドメンバーたちと手を繋いで横一列で並び、深々とお辞儀。何度も手を振ってからステージを後にした彼を、熱い拍手と歓声が見送った。こうして終演を迎えたツアー初日。6月17日に開催される追加公演、神奈川・KT Zepp Yokohamaにたどりつくまでに、各地でも素敵な空間が作り上げられることになりそうだ。
田中大