新NISAで買える投信(5)、「成長投資枠」の高パフォーマンス銘柄の特徴
今年1月にスタートした新NISAは、1人当たりの投資収益非課税枠が1800万円、非課税対象期間も無期限ということもあり、これを機に投資をスタートする人も少なくないと考えられる。折しも、日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新し、株式投資についての関心が高まっている。「新NISAを使って何に投資すれば、最も効果的に運用ができるだろうか」と考え中の方も少なくないと考える。そこで、新NISAで購入できる主な投資信託の種類やその特徴について概観してみたい。ここでは投資信託協会や金融庁が発表している商品リストに基づいて紹介する。実際には、個々の金融機関によって取り扱いの有無が生じることにご留意いただきたい。「成長投資枠」で買える商品は、2月27日現在で2179銘柄。選択肢が幅広く、3年(年率)トータルリターンが高い上位3銘柄を見るだけでも、「成長投資枠」対象銘柄の多様性がうかがえる。
「つみたて投資枠」は、低コストの株式インデックスファンドのイメージが強く、しかも、現在の対象ファンド数はETF(8本)を加えても281本しかない。約6000本もある投資信託の中で、ごく一部の銘柄になっている。これに対し、「成長投資枠」は2月27日にも対象ファンドが1本追加され、一般の公募投信が1878本、ETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)など上場しているファンドが301本と合計2179本もある。(1)信託期間が20年以上、(2)ヘッジ目的以外でデリバティブを活用しない、(3)毎月分配型ではない――などの条件はあるものの、「つみたて投資枠」にある株式を中心にした資産構成であること、信託報酬率の上限などといった条件はない。このため、「成長投資枠」には「つみたて投資枠」にはない商品性の広がりがある。
「成長投資枠」の多様な商品性を感じさせるのは、2024年1月末現在で3年(年率)トータルリターンが上位3銘柄の顔ぶれをみるだけでも理解できる。この3銘柄は、いずれもアクティブファンドで、代表的なインデックスを上回る成績を残している。「成長投資枠」には、インデックスファンドよりも、「より高いパフォーマンスを獲得したい」というニーズにも応えることができる投資信託もあるということは、大きなアピールポイントの1つだ。