どんなに大切にしても経年劣化は避けられない! クルマの「ヤレやすい」パーツとは
どんな素材のどんなパーツの劣化が早い?
「すべてのものは移り行く。怠ることなく精進せよ」。これはお釈迦様の臨終間際、最後の言葉、遺教といわれている。 【写真】シートレールは汚れが溜まりやすい! クルマはおよそ3万点の部品から出来上がっているが、工場からラインオフした瞬間から、そのすべての部品の劣化がはじまる……。 もっとも国産車ならどのクルマでも、10年10万kmぐらいはヤレや劣化がそれほど目立たないように作られているが、あまり長持ちしすぎても、買い替え需要が望めなくなるので、ユーザーが納得できるタイミングで消耗するよう、上手に品質管理されてきた!? そうしたメーカーの意向に逆らって、20年、30年と乗り続けていく場合、機能系パーツ以外で維持が大変になるのは、どんな素材の、どんなパーツだろうか? 素材で考えると、樹脂パーツ、ゴムパーツ、スチールなどが劣化の早い部品で、本革やファブリックなども使用頻度に応じてすり切れてくる。 具体的には、外装だとフロントウインドウ、リヤウインドウまわりのゴムモール。ここが経年劣化で痩せてきて、隙間ができてくることがある。放って置くとサビの原因にもなるので厄介なところ。 窓枠のウェザーストリップも痛みやすく、風切り音や雨漏りの原因になることも。 あとはナンバープレートの取り付けボルト。陸運局に置いてある標準のボルトはスチール製なのでやがて錆びてくる。新車ディーラーでクルマを買うと、ディーラーは封印委託を受けているところが大半なので、気が利いているお店なら最初からステンレス製のボルトにしてくれる例もあるが、ナンバーのボルトの錆は目立つので要注意。
劣化が気になる人は専門業者に相談するのがベター
さらにカーボンパーツ。カーボンそのものの劣化というより、表面のクリア塗装が紫外線や熱の影響で、白ボケしてくるのでケアが必要。 FRPパーツも紫外線の影響で変色、退色がはじまり、強度が落ちて、やがてひびが入ったり、割れたりしてくる。 最近では、ヘッドライトのポリカーボネートの黄ばみ、曇り、スリ傷なども頭の痛いところ。 その他、メッキパーツにも寿命がある。メッキには錆びる劣化と剥がれる劣化があり、白いシミ・白錆を見かけたら、早めにメッキ専用クリーナーでメンテナンスしておこう。 内装では、ドアの内張り・センターコンソールの表皮が浮いてきたり、日焼けで退色したりするのが気になるところ。シートの擦れ、破れ、裂け、焦げ穴や経年劣化によるひび割れなども定番のひとつ。 フロアマットも痛みが目立つが、これは思い切って交換してしまうのがおすすめ。純正品は廃版だったり、高価だったりするが、純正同等の社外品がけっこう出まわっているので、それらを利用しよう。意外に大きなリフレッシュ効果がある。 本革のステアリングやシフトノブも、破れたり、擦りキズができたり、摩耗したりしてくるものだが、これらはまるごと交換か、張り替えで対応。 あとは、ペダルのゴム類も減って表面がツルツルになっていることも。 内装に関しては、専門のリペア業者がけっこうあるので、内装の劣化が気になる人は、こうした業者に相談してみるのもいいだろう。
藤田竜太