【急展開】6人が死亡のアパート火災 放火とみるも直接証拠なく捜査は難航 7年後に逮捕した元住人は容疑を否認 アパート関係者との複数のトラブル 北九州市
FBS福岡放送
6人の命を奪った北九州市のアパート火災は、発生から7年以上たった26日、急展開しました。放火の疑いで逮捕された元住人の男は、アパート関係者とトラブルを抱えていたことが、捜査関係者への取材で新たに分かりました。
現住建造物等放火などの疑いで26日、逮捕された井上浩二容疑者(56)。 ■児玉悠一朗記者 「井上容疑者を乗せた車両が、小倉北警察署から出てきました。これから検察庁に身柄が送られます。」 火災から7年以上たってからの逮捕でした。
事件は2017年5月、北九州市小倉北区清水の木造2階建てアパート「中村荘」が全焼し、住人6人が死亡、5人が重軽傷を負ったものです。 当時から放火事件とみられていましたが、犯行が映った映像など直接証拠がなく、警察の捜査は難航しました。
■福岡県警・橋本浩輔捜査1課長 「延べ600名以上の方に話を聞いていますし、防犯カメラ画像も70台以上を押収して、精査しています。地道に絶対に諦めることなく捜査を進めてきました。」 逮捕の決め手の1つとなったのが、現場周辺の防犯カメラの映像でした。火災の前後、井上容疑者と似た人物が、井上容疑者の自宅と現場付近を行き来する様子が映っていたということです。 井上容疑者は今回の事件の後、八幡東警察署で起こした放火などの罪で懲役6年の判決を受けて服役し、27日に出所する予定でした。 ■児玉記者 「火災が起きた現場は、このように住宅に囲まれた場所です。アパートがあった場所は現在、駐車場に変わっています。」 「中村荘」は、1日数百円と格安な家賃の共同住宅でした。出火当時は、日雇い労働者など16人が住んでいました。 事件のおよそ1年前、井上容疑者は「中村荘」に1か月ほど住んでいて、捜査関係者によりますと、その際、アパート関係者との間で複数のトラブルを抱えていたということです。 火災の前、「中村荘」に住んでいたという男性は。 ■中村荘に住んでいた男性 「私が出た後に部屋に入った人は亡くなっていますから。早く捕まってほしいという気持ちがあったので、ほっとしましたね。」 警察の調べに対し、井上容疑者は「私はそんなことをやっていません」と話し、容疑を否認しています。 今後、警察は殺人の疑いでの立件も視野に捜査を続ける方針です。
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