青木宣親氏「イチローさんの言葉がなければ今の自分はないかも」MLBでの低迷期を脱するきっかけを告白<NumberTV>
福士蒼汰がナビゲーターを務め、トップアスリートたちの輝かしい「現在」とそれに至るまでの「挫折」をアスリート本人が語るリアルドキュメンタリー番組「NumberTV」(全24回)。11月7日に配信された第8回は、今シーズンで現役を引退した元プロ野球選手・青木宣親氏が登場。日本プロ野球で大いなる成績の残してメジャーリーグ(MLB)に活躍の場を移した青木氏が、不振に陥った際に救いとなったイチロー氏からもらった言葉を打ち明ける場面があった。(以下、ネタバレを含みます) 【動画】青木宣親氏「諦めないってことが一番大切なんだなと思いました」 ■日米通算2700本安打を記録した“安打製造機” 同番組は数々のアスリートのドラマを伝えてきたスポーツ総合雑誌「Sports Graphic Number」とLeminoの共同プロジェクトによって誕生した、トップアスリートの人生にフォーカスを当てるオリジナルドキュメンタリー。苦難を乗り越えてきたプロアスリート本人が、個々の競技人生を変えた「最大の挫折」と「復活」の物語を自らの言葉で語るリアルドキュメントとなっている。 第8回に登場したのは、NPB史上初めて2度のシーズン200本安打を達成し、日米通算2723安打を記録した“安打製造機”青木氏。青木氏は「あまり野球に情熱を捧げられていなかった」と高校時代を振り返り、「好きだった野球に対して、一生懸命やれてなかった自分がいたんです。そういう気持ちに後悔があって、(大学では)4年間一生懸命やってプロに行きたいという明確な目標を持って、後ろめたい気持ちをなくすためにも早稲田大学を目指しました」と大学進学を選んだ理由を告白。 早稲田大学では、恩師となる野村徹監督と出会い、野球に取り組む姿勢を学んだという。青木氏は「毎日のように怒られていたので、1年生の終わりくらいに『もう辞めたい』って思ったことがあって…。その時が初めてですね、『野球を辞めたい』って思ったのは。そのくらい追い込まれていた」と回顧しつつ、「4年間で心の部分をものすごく言われたので、ある意味、考え方が確立された状態でプロに入ったので、そういった意味での迷いはなかった」と語る。 2004年にドラフト4位でヤクルトスワローズ(現・東京ヤクルトスワローズ)に入団。2年目でイチロー氏以来史上2人目となるシーズン200本安打を達成した。だが、4月の段階では全く打てず、2軍に降格するギリギリの状態だった。そんな時に古田敦也氏からのアドバイスをきっかけに浮上できたという。「古田さんに『もうちょっとフラットに振れ』って言われて、(バットを)フラットに出すというのを練習したら、“当て感”が戻ってヒットを打つコツがなんとなく分かった気がしました」と述懐。 ■6年間で7球団を渡り歩いたMLB生活 2012年にメジャーリーグへ。ブルワーズ、ロイヤルズ、ジャイアンツ、マリナーズ、メッツ、アストロズ、ブルージェイズ、メッツと6年間で7球団を渡り歩いた。そんなメジャー3年目、ブルワーズからトレードでロイヤルズに入り、ナショナルリーグからアメリカンリーグになるという大きな環境の変化とけがも重なり、なかなか結果を出すことができなかった。 そんな時に、イチロー氏から金言を授かったというエピソードを披露。「たまたまヤンキースとの試合があった時に、当時イチローさんが在籍していて、食事してもらう機会を作ってもらって。『打てないんですけど』って話をしたら、イチローさんが『考えても駄目だったら、もっと考えたら』っていう言葉をくれたんです」と告白し、「それって自分の中では盲点で、考えることを諦めてしまっていた。イチローさんの言葉でハッとしたところがあった。諦めないってことが一番大切なんだなと思いました。あの時のイチローさんの言葉がなければ、今の自分はないかもしれないですね」と振り返った。 なお、11月21日(木)にLeminoで配信される第9回は、柔道・角田夏実選手が登場する。 ◆文=原田健