1/10の確率で採用される採用試験、20社受けたら採用の「期待値」は何社?
期待値の計算
最初に、 上の表を便宜上、 次のように書き換えてみる。 そしてこの表をもとにして、 160個、 180個、 200個、 220個仕入れる場合についての利益の期待値をそれぞれ求める。 なお、 240個を仕入れることは明らかに不利なので、その場合については検討しなくてよいだろう。 (ア)160個仕入れる場合 400×160=64000(円) (イ)180個仕入れる場合 (ちょうど160個売れる場合の利益)×5/100 +(ちょうど180個売れる場合の利益)×95/100 =(-900×20+400×160)×5/100 +400×180×95/100 =70700(円) (ウ)200個仕入れる場合 (ちょうど160個売れる場合の利益)×5/100 +(ちょうど180個売れる場合の利益)×30/100 +(ちょうど200個売れる場合の利益)×65/100 =(-900×40+400×160)×5/100 +(-900×20+400×180)×30/100 +400×200×65/100 =69600 (円) (エ)220個仕入れる場合 (ちょうど160個売れる場合の利益)×5/100 +(ちょうど180個売れる場合の利益)×30/100 +(ちょうど200個売れる場合の利益)×40/100 +(ちょうど220個売れる場合の利益)×25/100 =(-900×60+400×160)×5/100 +(-900×40+400×180)×30/100 +(-900×20+400×200)×40/100 +400×220×25/100 =58100 (円) 以上から、 180個仕入れるとよいことが分かる。 『「ゆとり教育」で教科書から消えた3桁同士の掛け算。「493×738」を筆算するときの考え方』へ続く
芳沢 光雄(数学・数学教育)