【チャンピオンズC 俺のチェックポイント】万全の最終追い切り!南関東無敗3冠馬ミックファイア復活あるぞ
チャンピオンズCの勝ち馬に迫る「俺のチェックポイント」は2日目。東京サンスポ・山口遥暉記者が、昨年の南関東無敗3冠馬ミックファイアに注目した。昨年暮れから4連敗中だが、大一番で激走はあるのか。追い切りの気配や陣営のムードを探った。 ◇ 昨年、史上2頭目となる南関東無敗3冠を達成したミックファイアに注目だ。中央馬相手にGⅠ級で4連敗中だが、一戦ごとに着順は上がっている。前走・南部杯は真っ向勝負を挑んで4着。大一番での復活はあるのか。状態を確認すべく、大井競馬場へ向かった。 東の空が白み始めた午前6時頃、矢野貴騎手(レースはルメール騎手)を背に地方の雄がダートコースに現れた。1周目はキャンターで流して、2周目の向こう正面から徐々にペースアップ。直線で馬場の外めに持ち出されると、馬なりのまま小気味いい脚さばきで5ハロン65秒4―12秒8をマークした。1週前にしっかり追われたため軽めの調整だったが、迫力ある蹄音がスタンドまで響いてきた。見守った渡辺和調教師は「予定通りです。この時期はどうしても蹄を気にしながらの調教にはなりますが、そのなかでも加減せずにやれています。いい感じで上がってきています」と朗らかに話した。 状態面はOK。残る懸念点は輸送だ。昨年、盛岡のダービーグランプリに出走した際は輸送で馬体重が30キロ近く激減。何とか地力で勝ち切ったが、その後のJBCクラシック、チャンピオンズCを回避せざるを得ないほどのダメージを負った。フェブラリーSの際も、馬運車に水たまりができるほど発汗した経緯がある。だが、トレーナーは「南部杯ではうまくいきました。だいぶ慣れてきたのか、馬房の中の雰囲気が今までと全然違いましたね。以前ほど心配はありません。精神的にも成長しました」と笑みを浮かべながら力強く言い切った。 1800メートルは2戦2勝で、「羽田盃は強烈でしたよね。2度の坂越えがあるスタミナの必要なコース形態も合っていると思います」と自信の口ぶり。さらにルメール騎手との新コンビも心強い。「今までも多くの名手が乗ってくれていますが、また違う面を見られるのでは、とワクワクしています」と結んだ。 1999年フェブラリーSのメイセイオペラ以来となる、史上2頭目の地方所属馬によるJRA・GⅠ制覇へ、陣営の期待が伝わってきた。ただ、まだ中央馬の追い切りを残している段階。最終結論はじっくりと吟味していきたい。(山口遥暉)