漁獲は年に2日間だけ 幻の珍味「オオノガイ」 根室市で手掘り漁
漁獲できるのは年にたった2回。幻の珍味「オオノガイ」の手掘り漁が24日、北海道東部の根室市沿岸であった。 【写真】干潟でオオノガイを手掘りする漁業者=2024年6月24日、北海道根室市、山本智之撮影 午前中の干潮の時間帯に合わせて、地元漁協の許可を受けた漁業者たちが干潟へ向かった。干潟の砂泥を深さ30センチほど掘り起こすと、殻の大きさが8～9センチの二枚貝オオノガイが、次々と姿を現した。 「深い場所にいるから、掘り起こすのに体力がいりますよ」と漁業者の法月明雄さん（65）。漁獲されたオオノガイはほとんどが干物として出荷される。かみ締めるほどに深い味わいがある。 ただ、成長が遅いため、乱獲の影響を受けやすい。漁獲サイズに育つのに6年以上かかるという。根室湾中部漁協の木村篤志参事（44）は「いったん枯渇させてしまうと、回復させるのは難しい。いまある資源を有効活用しながら、後世に伝えていきたい」と話す。 漁期は6～7月で、2回目の漁は7月22日に行われる予定。（山本智之）
朝日新聞社
