北九州市の中３殺傷、容疑者宅や車から押収した刃物や黄色いサンダルは目撃情報と一致
北九州市小倉南区のファストフード店で中３男女が男に殺傷された事件で、福岡県警が男子生徒に対する殺人未遂容疑で逮捕した近くの無職平原（ひらばる）政徳容疑者（４３）の自宅や車を捜索し、男の目撃情報などと一致する黄色いサンダルや衣服を押収していたことが捜査関係者への取材でわかった。押収した刃物が男子生徒が目撃した形状と一致することも判明。男は刃物を隠して入店したとみられる一方、マスクなどはしていなかった。平原容疑者は容疑を認めているが、動機について明確な説明はないという。 【図】事件当時の容疑者の行動
発表によると、平原容疑者は１４日午後８時２５分頃、同区の国道３２２号沿いの店舗で、同区の男子生徒（１５）の腰を刃物のような物で突き刺して殺害しようとした疑い。この事件では、男子生徒と一緒にいた女子生徒（１５）も男に腹部を刺されて死亡した。
店内の防犯カメラ映像などから、男は灰色の上着に黒色のズボン、黄色のサンダル姿だった。捜査関係者によると、１９日に平原容疑者の自宅や車などを捜索し、特徴が一致する黄色いサンダルや衣服を押収したという。衣服には血痕は見当たらなかった。複数の刃物も押収しており、男子生徒の目撃証言と形状などの特徴が一致するものもあった。福岡県警は今後詳しく鑑定し、事件との関連を調べる。
また、店内の防犯カメラ映像には、男が入店時に刃物を持っている様子は確認されず、県警は男が刃物を隠して入店した可能性があるとみている。一方で、帽子やマスクなどで顔を隠すような行為はしていなかったという。県警は、こうした一貫性を欠く行動から、計画性があったのかどうかを慎重に調べる。
平原容疑者は県警の調べに対し、「確かにその行為をしました」と容疑を認める一方、激高して声を荒らげるような場面もあるという。動機について尋ねても、現時点では明確な説明は得られていないという。県警は女子生徒に対する殺人容疑についても捜査する方針。
