上田桃子、今季で競技活動休止も「引退という言葉は使わない」わけ
女子ゴルフでツアー通算17勝の上田桃子(38=ZOZO)が7日、今季限りでの競技活動休止を明言した。プロ生活20年目。今季も3回トップ10入りするなど、長年にわたり第一戦で活躍し続けてきた中での決断だった。伊藤園レディース(8日開幕、千葉・グレートアイランド倶楽部)の前日会見に出席。3日に自身のSNSで意思表明後、初めて胸中を明かした。 ◇ ◇ ◇ 上田の表情は晴れやかだった。「今年がプロ生活20年目。そろそろ次へのステップにいく時期が来たのでは」とうなずいた。 長いシーズンを乗り切るための心技体が、今の自分には備わっているか-。30代に入った頃から毎年、シーズン前に自問自答してきた。「その1年をできるかをいつもまず考えた」。決断したのは、今年9月の日本女子オープン終了後。悲願の国内メジャー制覇を目指した通算60度目の挑戦は、30位に終わった。「メジャーを優勝したいとずっと思っていた。大会が終わったと同時に、勝てなかったな、と。やれることは毎年精いっぱいやってきた」。 05年にプロ入り。21歳だった07年。5勝を挙げ、当時史上最年少で賞金女王に輝いた。同世代の元世界ランキング1位宮里藍さんもすでに現役引退。20年にわたり、第一線で活躍し続けてきた選手はほぼいない。今季は4位を最高に3回トップ10入り。衰えを感じさせない活躍を続けていた。「年齢のことは1度も気にしたことがなかった」としつつ、「次の人生を考えた時に、年齢的なものも含めて『今かな』と思った」とも明かした。 「引退」という表現は使わなかった。「プロになった時から、一生プロゴルファーだと思っていた」。将来、自分がどんな心境になるのかは想像がつかない。「分からないから、引退という言葉を使わないほうがいいと思っただけ」と説明した。今後は「何も決めていない」と強調しつつ「指導にも興味はある。今は勉強したいという思いが一番」とした。 次週の大王製紙エリエールレディースにも出場予定。現時点では、年間成績上位者らに限られる最終戦で国内メジャー、ツアー選手権リコー杯の出場資格はない。「あきらめが悪いのが自分らしさ。最後までアグレッシブに挑戦したい」。【奥岡幹浩】 ◆上田桃子(うえだ・ももこ)1986年(昭61)6月15日、熊本市生まれ。9歳からゴルフを始める。東海大二高卒業後の05年にプロテストに合格。07年ライフカードレディースで初優勝。同年5勝を挙げ、当時史上最年少の21歳156日で賞金女王に。主戦場は08年から米国、14年から再び国内。日米通算ツアー17勝。21年6月に同い年の会社員と結婚。趣味は音楽鑑賞、ショッピング。161センチ、54キロ。