【NBA】グリズリーズの河村勇輝が3得点4アシスト、ブレイザーズ戦のラスト8分を任されて『試合を支配』する活躍
集中を切らした相手ディフェンスをスキルと視野で翻弄
現地11月10日のトレイルブレイザーズ戦で、河村勇輝が先の試合に続くフィールドゴール成功に加えて4アシストと、試合終盤に素晴らしいパフォーマンスを披露した。 グリズリーズはジャ・モラントとマーカス・スマート、デズモンド・ベインがケガで欠場とチーム状態が良くなく、2番手のポイントガードであるスコッティ・ピッペンJr.がモラントに代わって先発した。それでも再建中のブレイザーズを攻守に上回り、前半で20点のリードを奪い、第3クォーターも42-24と圧倒して早々に勝敗を決める。そうなると台所事情が苦しい中でベンチメンバーの出番が増える。河村が呼ばれたのは第4クォーター残り8分で、そのまま試合を最後まで任された。 投入から30秒後、最初のポゼッションで河村のパスを受けたジェイ・ハフがドライブからゴール下を決めたことで河村にアシストが付いた。続いて河村は3ポイントシュートを放ってこれを外したが、敵地ポートランドでも河村にチャンスが回って来るとファンが沸いたのは興味深い。身長172cmで『NBAで一番小さな選手』の河村がスキルとバスケIQでNBAに挑戦する姿は、どこのチームのファンにも好感を持って受け入れられているのだろう。 ストレッチ5として評価を上げるハフの3ポイントシュートをお膳立てして、これで2アシスト目。すぐに速攻からジョン・コンチャーにパスを送り、易々と3アシスト目を記録した。そして、またしても速攻のチャンスで、今度は一人でフィニッシュに行く。ブロックショットをかわすためのダブルクラッチで接触を受け、フリースローで1得点を挙げた。 すでに集中を切らしたブレイザーズディフェンスのギャップを、河村は余裕十分で突いていく。コリン・キャッスルトンへも完璧なパスを送るもファウルで止められ、アシストを記録し損ねたが、これも河村の視野とスキルが完全に相手ディフェンスを上回ったプレーだった。 残り1分にはドライブで相手ディフェンスを引き付けてゴール下で待つハフにパスを送って4アシスト。最後はザック・イディーのスクリーンを使ってペイントを攻めると見せかけてのターンアラウンドのジャンプシュートを沈め、敵地のファンを驚かせた。 グリズリーズは134-89で快勝。河村は8分間の出場で、その間のスコアは20-12。河村は自ら3得点を挙げた他、9得点をアシストし、2得点は河村が作ったチャンスからのフリースローで、チームの20得点のうち14得点に絡んだ。大敗の試合の終盤とあってブレイザーズの守備は強度もなければ連携も取れていない壊滅的なものだったが、それでも一緒にコートに立った選手たちが河村を探してボールを託したからこそ、ラスト8分間で試合を支配することができた。 グリズリーズはこれで7勝4敗。河村は8試合目の出場でここまで最長の8分間プレーし、3得点4アシストを記録。トレーニングキャンプ契約からスタートした河村がチームに定着し、少しずつではあるが信頼を勝ち取っているのは素晴らしいことだ。