史上初の受刑者になった元法務大臣 “大規模買収事件”の闇とは?鈴木宗男氏「河井氏は狙われた」「検察がストーリーを作る」
鈴木氏は「自由民主党の所属議員が、党の県議会議員・市会議員に活動費を渡すのは当たり前だ。届け出をしておけばなんでもない」と語る。河井氏は「領収書の提出は毎年5月。その前を狙ったかのようにガサ入れされ、領収書などはそもそもなかった」と説明する。 捜査をめぐっては、検察による違法性の高い「司法取引」の疑いが浮上した。ある広島県議の任意聴取で、検察は「ターゲットは河井夫妻。先生には政治家を続けてもらいたい」と言ったとして、起訴しないことをにおわせ、検察の意図に沿う供述に誘導したのではないかとの疑惑がある。 鈴木氏は「私の事件でも『俺たちの狙いは鈴木だ。協力するかで判断は違う』と事前誘導した。一部検察官がストーリーを作って、はめ込んでいく。だから私は最高裁まで戦い、負けたから収監に応じた」と話す。
東京地裁は、河井氏に懲役3年の実刑判決を下した。河井氏は判決を不服として控訴するも、後に取り下げて、実刑が確定した。しかし、買収罪は渡した側が有罪ならば、受け取った側も有罪になる“対向犯”だが、河井氏が渡した相手とされる100人は、ひとりも起訴されなかった。 その後、検察審査会は100人のうち、現職の地元議員ら35人を起訴すべきだとする「起訴相当」と議決。検察当局による再捜査で、35人中22人が罰金刑、11人に有罪判決が下された。そして先日、最後の1人だった広島県議・渡辺典子被告の上告棄却に対する異議申し立てを最高裁判所が棄却し、罰金10万円・追徴金10万円の有罪判決が確定。無罪を主張した12人全員が有罪判決となった。 鈴木氏は収監前に再審請求を行い、現在は最高裁の判断を仰いでいる。その経験から、控訴を断念した河井氏に対し、「勝負するとなれば、最高裁までやった方が良かった。戦っていれば人生が変わった。戦うに値する事件だった」とコメントした。 (『ABEMA的ニュースショー』より)