高校生が県に提言…福井県が実現へ動く 低出生体重児に無償提供する「母乳バンク」理解促進へ自販機設置を検討
福井南高校(福井県福井市)の生徒が8月の「ふくい高校生県議会」で低出生体重児に無償提供する「母乳バンク」の理解促進を福井県に提言したことが、9月19日の県議会一般質問で取り上げられた。池上栄志健康福祉部長は「生徒の熱意に感銘を受けた」とし、売り上げの一部が母乳バンクに寄付される飲料水自動販売機の設置を検討すると述べた。 山岸みつる議員(ふくいの党)への答弁。 県によると、県内では年間30人前後の極低出生体重児(体重1500グラム未満)が生まれ、福井大学医学部附属病院で年間1人程度にドナーミルク(寄付された母乳)が提供されている。一方で母乳バンクへのドナー登録を受け付ける病院は県内にない。 池上部長は、福井県立病院で自販機設置を検討する考えを示し、福井南高生が作成した広報パンフレットを活用して啓発に努めると答弁。「子どもたちが幸福な生活を送る福井県の実現に向け、当事者である子どもや若者の意見を施策に生かしたい」と述べた。 福井南高の校内には母乳バンクに寄付される自販機が設置されており、生徒がゼミの探究活動で母乳バンクの現状をテーマに選定。ふくい高校生県議会で、バンクの啓発や県内にドナー登録施設を設置するよう県に提言した。
福井新聞社