与那国で最大瞬間50・2㍍ 八重山を暴風域に巻き込む 2千戸停電、交通マヒ 台風3号
大型で非常に強い台風3号は24日、八重山地方に最接近した。石垣島地方気象台によると、与那国町租納では午後1時51分、最大瞬間風速50・2㍍を観測した。空、海の便は全面マヒ。3市町で最大2430戸が停電するなど、住民生活や産業に大きな影響が出た。人的被害は確認されていない。 石垣島地方気象台によると、24日午前11時半ごろ、竹富町大原で34・9㍍、午後4時19分、石垣市登野城で34・5㍍を観測した。 石垣市内では断続的に強風が吹き荒れる天候が続いた。午後4時からは横殴りの雨が降り続け、川平では1時間の降水量が32㍉を記録。気象台は、八重山地方では24日夜まで、線状降水帯の発生が発生し、大雨災害発生の危険性が急激に高まったとして警戒を呼び掛けた。 石垣島地方には23日午後6時15分、暴風警報が発表された。石垣市役所、竹富・与那国の両役場は終日閉庁した。陸上自衛隊第15旅団は連絡要員を石垣市、竹富町に派遣した。 午後3時過ぎまでに、石垣市役所や竹富町役場には大きな被害の報告は入っていない。与那国町では電線の垂れ下がりや窓ガラスが割れたなどの被害が報告された。 石垣市内では、強風で道路沿いに倒れた樹木や枝などが確認できた。県道79号線(石垣港伊原間線)の桴海から伊原間区間では、倒木が道路を塞いだ。 石垣市内のスーパーは一部店舗で午後4時から開店したが、ほとんどの店舗が終日閉店した。その他、各企業は終日臨時休業となったところが多かった。 医療機関は救急外来は対応したが、その他の一般診療は休止した。公共交通機関も運休した。 停電は石垣市で最大570戸(午後7時)、竹富町で最大1890戸(午後4時)、与那国町で最大270戸(午前11時)発生した。 南ぬ島石垣空港は24日、終日閉鎖され、JALグループ、ANA、ソラシド、ピーチアビエーションの航空各社は全便欠航した。 25日は、南ぬ島石垣空港は通常通り開館する。JALグループはJTAが平常運航の見込み。JALは東京(羽田)便が2時間前後の遅延を見込む。RACは石垣―与那国便のみ全便欠航だが、那覇便と宮古便は平常運航の見込み。ANAグループは一部の便で欠航が決定している。ソラシド、ピーチアビエーションは通常どおり運航する。 台風3号は24日午後5時、与那国島の西南西約80㌔を時速約15㌔で北西に進んでいる。中心気圧は940ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45㍍、最大瞬間風速は65㍍。25日午後3時には台湾海峡に達し、中国大陸に向かうと見られる。28日までに華中で熱帯低気圧に変わる見込み。