レンチンなのに美味すぎる「袋付きパスタソース」意外な層が買っていた!人気のワケを開発者に直撃
当初のターゲットとは異なるシニア世代や単身者が購入するワケ
――「レンジのススメ」も「パキット」も見事商品が完成したわけですが、どのような方が多く購入しているのでしょうか? 佐藤さん:発売当初は共働きの子育て世帯の方が忙しい時に使っていただける商品なんじゃないかなと思っていたのですが、発売から3年目に入った今、購買層で最も多いのは60代~70代の方なんです。 お子さんが巣立って夫婦だけでの食事になった方が、「火を使うのがだんだん怖くなってきたから」「子どもが家にいた時は頑張って料理をする気持ちがあったけど、旦那さんと2人だと面倒」といった気持ちがあり、商品に魅力を感じてくださっているようです。 特にポイントなのが、「素材を自分で切る行為がある」ことによって手抜き感も罪悪感もなく使って頂けているところ。 どうしても昔は「レンジ=手抜き」というイメージがありましたが、切る工程があるだけでもなんだか「料理をしたぞ」という気持ちになるんですよね。 特にこれから暑い季節は火を使う必要がなく、コンロ回りが油ハネで汚れることもない。手間はかからないけれど美味しいおかずができることにメリットを感じて頂けているのだと思います。 ――お客さんと話していて開発者の方が気づくこともあるんですね。 佐藤さん:すごく細かい話だと、以前60~70代の方とお話していたら、「レンジのススメ」をキレイにハサミで開けようとすると、そのあと封が開けにくい!という意見があって。 でも実はこれ、手でも開けることができるようになっていて、ハサミでまっすぐじゃなく、むしろ手で開けてもらったほうがギザギザに切れて開けやすいんですよ、とお伝えしたことがありました。 ――どうしてもキレイに開けないと!と思ってしまいますが、そうしない方が良いこともあるんですね! 佐藤さん:メーカーとしてもお伝えしていかないといけないなと思っています。
一番人気の商品は「麻婆豆腐」
――一番人気はどの商品でしょうか? 佐藤さん:麻婆豆腐ですね。豆腐は家庭内在庫率が高いですし、パキットもですが、商品の形状が薄いのでストックもかさばらなくて良いと言って頂けて。ゴミもほとんど出ないのが良いという意見もあります。 ――確かに、調理したフライパンを洗うのは大変ですよね。 三田さん:エコの観点で言えば、パキットが調理工程で使用する水はコップ1杯(160ml)のみ。通常パスタを調理する際には茹でるための水が2L、湯煎するための水が1L必要となることを考えると水の使用量は圧倒的に少ないんです。 さらにガスコンロを使用して調理する場合よりもCO2排出量を70%削減できるというデータもあります。 ――光熱費も値上がりしている今、それは魅力ですね。パキットはどのような方が多く購入しているのでしょうか? 三田さん:パキットも発売当初は子育て世帯の方をメインで狙ってこうと考えていたのですが、実際には、単身の方に圧倒的な支持をされていることが分かりました。 ――確かに独身の方こそ、キッチンが狭いとかおっきい鍋がないといったことからニーズがありそうです。 三田さん:購買者の方のデータを見ていてもパスタソースは通常子育て世帯がメインであるのに対し、パキットは単身者が突出してメインとなっており、特異な位置づけとなっているんです。なので今後は単身世帯により特化した商品も考えていきたいですね。