レンチンなのに美味すぎる「袋付きパスタソース」意外な層が買っていた!人気のワケを開発者に直撃
最も難しかった中華の人気メニュー
――麻婆豆腐や海老チリなど人気のメニューを8種類発売されていますが、最も難しかったのはどの商品ですか? 佐藤さん:今年2月に発売されたばかりの青椒肉絲(チンジャオロース)です。中華でも人気メニューなので絶対に発売したかったのですが、美味しく仕上がる調理方法を見つけるのに時間がかかりました。 最初は材料を一度に入れて1回でレンジ調理が完了することにこだわっていたのですが、それではピーマンが柔らかくなりすぎてしまって。そこで先にお肉を入れて3分加熱、その後一度レンジから取り出してピーマンを後入れして2分加熱……と工程を分けることにしました。 最初は2回に分けることが受け入れて頂けるのか不安だったのですが、発売後に働くママさんに話を聞いたら「先にお肉をレンジ加熱している間に、ピーマンを切るから全然手間じゃないわよ~」とおっしゃっていて。 勝手にお肉とピーマンを全部切ってからレンジ調理を始める人が多いと思っていたのですが、それは思い込みで。働くママさんって、とにかく効率よく動くことを考えていることもあり、そういう工夫をして2回の工程が苦にならなくなるというのは目からうろこでした。
「パキット」の試作回数は1000回以上
――ネックだと思っていたことが意外とそうでもないことがあるんですね。「パキット」はいかがでしょうか? 三田さん(パキット開発担当、以下略):パキットはまず、レンジで麺を加熱した時の仕上がりについての検証から始めました。 大きい鍋にたっぷりのお湯で茹でた麺と、レンジ調理容器で茹でた麺と、パキットの包材で茹でた麺など、様々な茹で方をした麺を比べてみました。その結果、パキットの包材で加熱した麺の仕上がりは全く遜色がなく、美味しく茹で上がることがわかったのです。 ――滑り出しは順調だったんですね。 三田さん:ただ、その次の課題がコンセプトでもある「ソースで麺を茹でる」というところです。ソースに何が入っていると麺の食感に悪影響を及ぼすかを突き止めるために、特定の原料で麺を茹でて食感を細かくチェックしていき、ソースの配合を考えていきました。 ――しかし開発は難航し、試作回数は1000回以上にも及んだけれど一定の茹で上がりにならないという課題がクリアできずにいたそうですね。 三田さん:そんな時、改めてパスタ調理について調べなおしていると、「蒸らす」という工程に気づいたんです。「レンジで加熱したあとに庫内で蒸らす」工程を加えたことで、どの種類のパスタ・どのような機種のレンジであっても、目指していたアルデンテ食感が実現できました。 さらにポイントとなるのが最後に容器内でぐるぐるとかき混ぜる工程です。普通のパスタソースをかける時にはやらないものですが、パキットは袋の中が鍋代わりでもあるので、ぐるぐるとかき混ぜて乳化させてとろみをつけることでより美味しさが増します。