秋季近畿地区高校野球大会県予選を制し、優勝旗を授与される市和歌山の選手たち＝和歌山市の県営紀三井寺球場で２０２１年１０月３日、橋本陵汰撮影

　＜センバツ２０２２＞ 　和歌山東と市和歌山の出場が決まった第９４回選抜高校野球大会。県内からセンバツに２校が出場するのは、２０１９年の智弁和歌山と市和歌山以来、３年ぶりだ。公立校２校となると、１９９２年の南部と日高以来、３０年ぶりとなる。今大会、同一都道府県からの２校出場は６都府県あるが、共に公立校なのは和歌山のみ。両校の監督とも「和歌山の高校野球を盛り上げたい」と思い描いている。【橋本陵汰】 　出場決定の知らせを受け、市和歌山の半田真一監督（４１）は「公立２校選出は、我々だけでなく、和歌山の公立高校の励みになると思う」と語った。和歌山東の米原寿秀監督（４７）も、子どもへの野球の普及を図る意味でも、「智弁和歌山だけではなく、全国で勝てるチームをつくり、和歌山のレベルを引き上げたい」と話していた。 　公立校２校が出場した３０年前のセンバツ。１回戦で日高は、この大会で優勝した帝京（東京）と対戦し、０－１で涙をのんだ。南部は２回戦で準優勝した東海大相模（神奈川）に０―４で敗戦。２校共に「対戦相手が違っていれば」と思わせた大会だった。 　２０１９年のセンバツでは、智弁和歌山と市和歌山が、そろってベスト８に進出した。県勢としては、８１年ぶりの快挙だった。これまで２校がそろって出場したセンバツでは、和歌山の高校野球の実力の高さを示す機会となっていた。 　２１年の夏の甲子園を制した智弁和歌山に、和歌山大会準決勝で敗れた和歌山東と決勝で敗れた市和歌山。和歌山東は秋季県大会準決勝で智弁和歌山に勝ち、春夏通じて初めての甲子園への大きな一歩とし、市和歌山はその和歌山東を決勝で退けた。今回のセンバツでも、公立２校が互いに負けじと活躍することが期待される。