バブルに乗り遅れるな!「圧倒的利益」と「驚愕の地価上昇率」を生み出す「ニセコの秘訣」とは?
今や世界中から富裕層がこぞって訪れる冬の高級リゾート地となった北海道ニセコ。どうやってニセコはインバウンドをものにしたのか。海外の富裕層を取り込む外国資本の戦略、日本の観光に足りていないものとは何なのか。ニセコの成功の背景を、リゾート地・富裕層ビジネス・不動産投資の知見をもつ筆者が、これらの謎をひも解く。 【写真】習近平の第一夫人「彭麗媛」(ポン・リーユアン)の美貌とファッション *『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』(高橋克英著)より抜粋してお届けする。 『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』連載第10回 『「カネの流れが止まらない…」コロナ禍でも「中国資本家」がニセコで荒稼ぎを続ける「3つの理由」』より続く
地価上昇率6年連続全国1位
ニセコは、富士山に似た姿から蝦夷富士とも呼ばれる北海道の名峰・羊蹄山とニセコアンヌプリを主峰とするニセコ連峰に囲まれ、日本一の清流といわれる尻別川が流れる自然豊かな場所だ。 スキーシーズンはもちろん、グリーンシーズンも、尻別川でのラフティング、羊蹄山麓でのサイクリング、登山、ゴルフなどのアウトドアスポーツが盛んだ。 豊富な羊蹄山の伏流水を利用し、じゃがいもやメロン、アスパラガスなどの農業も行われている。 国税庁が2020年7月に発表した路線価(2020年1月1日時点)によると、全国約32万地点の標準宅地における上昇率で6年連続全国1位となったのがニセコだ。 全国平均上昇率がトップして、ニセコリゾートの中心地である「ひらふ坂」にある俱知安町山田(道道ニセコ高原比羅夫線通り)の上昇率はなんと50・0%だ。 2014年の1㎡当たりの評価額5万円から、2020年には72万円と14・4倍に跳ね上がっている。札幌市中心部の中央区南1条西11丁目(石山通り)を上回り、評価額でも北海道内3番目という。
まだまだ上昇余地のあるニセコ
もっとも、東京という極限まで有効活用が進んだ密集地・集積地で長年暮らしている筆者の印象からすると、現地を見る限り、自然が広がるニセコエリア全体はむろん、ひらふ地区であっても、低層利用地や老朽化した建物や空き地もあり、縦にも横にも地下にも隙間にも有効活用できる土地や空間があり、開発や発展余地がまだいくらでもあるのではと思ってしまう。 自然環境とのバランスを取る必要はあるものの、まだまだ上昇余地はありそうだ。参考までに、路線価全国1位は、35年連続で東京都中央区銀座5丁目(銀座中央通り)の文具店「鳩居堂」前で、1㎡4592万円だ。 北海道内の最高地点は、15年連続でJR札幌駅南口の札幌ステラプレイス前(札幌市中央区北5条西3丁目)。2030年の北海道新幹線乗り入れに伴う駅周辺再開発の影響もあり、1㎡当たりの評価額は前年比17・2%上昇の572万円に達している。