「パートナーエージェント」の佐藤茂社長インタビュー
「婚活」という言葉が世の中に広がって久しいが、最近は20代の人々も婚活支援サービスを利用するケースが増えている。他の世代よりもそうしたサービスを利用するのに抵抗が少ない、という調査結果もあり、婚活の低年齢化が進んでいるといえる。結婚相手に求める最新トレンドとして「3高ではなく3NO(暴力をふるわない、借金しない、浮気しない)」という結果を発表するなど、婚活業界の中で攻めの姿勢が印象的な婚活支援サービス会社「パートナーエージェント」の佐藤茂社長に戦略を聞いた。
── パートナーエージェントのサービスの特徴、つまり同業他社との顕著な違いはどんなところですか? 弊社が他社と大きく違う点は、成婚率が他社約2~3倍であるところです。なぜこのような数字を出せているかと言うと、完全分業制を取っているからです。成果(成婚)にこだわり、サービスを提供させていただくためには、入会担当(営業)とその後のサポート担当(コンシェルジュ)とを分ける必要があると思っています。 入会から成婚まで同じ人間が担当することは、一見、親身なサポートのように見えますが、実際は入会に重きをおいてしまうケースが多く、入会後のサポートが手薄になるケースが見られるからです。 実はこの業界の平均成婚率は約10%です。評価はそれぞれの価値観で分かれますが、私がこの業界に入ったとき、この数字は低いと思いました。 例えば、子どもが塾に通う場合は「偏差値を上げたい」などの目的で入塾すると思います。もちろん本人にやる気があってこそですが、婚活サービスも同じです。お客様は「結婚したい」と思って入会していただいているにも関わらず、10人のうち1人しか結婚できないのはダメだと思いました。それゆえ当社ではしっかりと分業制をとることでバックアップさせていただいており、現在の成婚率は28.6%です。 入会にあたっては、まず会員様に対して約90分のインタビューを行っています。これは、会員様がどのような価値観を持ち、どのようなお相手を希望されるのかを把握するためです。コンシェルジュはコーチングスキルを用いて、会員様がまだ明確にできていないお相手への希望や理想像をより明確化します。経験や勘に頼って相手探しをするのではなく、より具体的なマッチング(ご紹介)に結び付けられるようにしています。またコンシェルジュが介在することにより、データだけでは見ることができない部分でお相手をご紹介することができますので、より精度の高いご紹介が可能になっております。 コンシェルジュがPDCAサイクル(計画、実行、評価、改善)を用いて活動の軌道修正も行っています。しかしこれらの活動も先ほどの塾の話と同じで、本人にやる気がないといくら周囲がサポートしても効果はありません。あくまで会員様に主体的に動いていただけるよう、コンシェルジュが全面的に支援させていただきます。 ── 最近、婚活の低年齢化が指摘されますが、最近の若い人たちの結婚観や結婚に対する意識はどんな変化がありますか? また晩婚化もありますが、熟年世代(40-50代)の結婚観などはどうでしょうか? 当社が実施したアンケート調査によると10人に1人が20代前半で婚活を始めたというデータが出ております。また早く結婚したいと考えている20代前半の63%の理由が「早く子どもを持ちたいから」となっています。これは若い世代の方々が憧れている芸能人などが結婚や出産を経て、幸せそうな生活を送っていることに対する憧れからきている部分があるのではないでしょうか。出産の年齢を逆算し、将来焦りたくないと“備える婚活”を考えている人も中にはいるように感じます。またSNSの普及により「幸せの見える化」が進んだことで、結婚に対する価値観が大きく変化したのではないでしょうか。 晩婚化に関して言うと、そもそも現在は職場や地域での社会的な出会いの場が減少しております。毎日、仕事と職場の往復という方々もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。そんな中で、熟年世代に関しては通常の婚活とは少し状況が違ってきます。結婚を経験されていたり、既にお子様がいらっしゃったり、親御さんの介護をされていたりなどです。多くの人生経験を積んでおられるため、若い世代と結婚に求めるものが違ってきます。この世代の方々にとっての婚活は「生涯のパートナー探し」といえるでしょう。